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帰り道の心理戦

先日、久しぶりに飲み会に参加した。
前職の先輩後輩と計6人。約5年ぶりの顔合わせだったが、わだかまりもなく楽しく過ごせた。

ほどよく酔い、健全な時間で解散。店を出てぞろぞろと駅まで歩いて向かう。
今回の問題はここからだ。

●●さん、電車、何線で帰りますか?

でたー! このフレーズ、何百回いや何千回と聞いたことか。

経験者はわかると思うが、誰も他人の使用路線に興味があるわけではない。
「自分と同じ路線なのかどうか」を把握し、リスク回避の判断材料にしようとしている。

もう少し嚙み砕くと、「仲がよくて話しやすい人とはもう少し一緒にいたいけど、そうじゃない人と一緒に帰るのは気まずいから離れたい」という姑息で繊細な心理戦が繰り広げられているのだ。

都市部、特に都内であればちょっと歩けば違う駅や路線にたどり着くので、(遠回りになることはあるが)帰宅ルートの選択肢を複数もつことができる。
つまり、相手の出方に合わせて後出しジャンケンをすればいい。後出しジャンケン最強!


この問題、飲み会だけじゃなくてバイト、説明会、試験。。
どんなイベントの帰りでも発生しうる。

別に仲がいいというほどではないけど、知り合いではある
という微妙な関係性。
大人になればなるほどこのような人間関係が増えてくる、というかほとんどこれじゃないか。

ひとりの時間がすきなので、私もつい後出しジャンケンをしがちではあるが、最近はその心理戦が面倒くさいので自分の決めた帰宅ルートを貫くことにしている。

どうせ長くて数十分なんだから、普段話さない人と帰るのもたまには悪くないぞ、と格言めいたことを言ってみたり。
新入生、新社会人の方々、がんばってな。


で、先日の飲み会に戻る。

駅が近づいてきたところで、後輩女子(既婚者。男女の感情はお互いに一切なし)が私の使用駅を聞いたところで急ブレーキ&急旋回をして、

「やっぱり私、こっちの駅で帰ります! さようなら!」

決断の早さよ

いや、いいんだけどね。一緒に帰りたかったわけじゃないし。

でもここまで露骨にやられるとちょっとな…
なんてモヤモヤしながらひとり傘をさして帰路につきましたとさ。

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