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3行で終わらない日記[2023年11月11日]

昨晩は「何の音?」と思うような強風。正体は、窓に打ちつける風の音だったらしい。朝、窓を開けたら、冬の匂いがしていた。今週の初めは半袖を着る暑さだったのに、今日はヒートテックが欲しくなるような寒さ。気温の乱高下に体の感覚がついていかない。天気予報では、このまま寒くなるらしい。長過ぎた夏がようやく終わった気がした。

今日は文学フリマの開催日。3回目の出店をしてきた。

文学フリマの存在を知ったのは、コロナが流行し始める半年ほど前。会場に行ったこともなかったけれど、面白そうなので参加申し込みをしてみた。でも、その回は緊急事態宣言のせいで中止に。その半年後が初参加になった。

1回目は様子見のつもりで、持っていったのは自分の著書のみ。一緒に参加してくれた友人が過去に発行していた同人誌を並べてくれたので、お店の形にはなった。フリマタイプのイベントには他の趣味で参加したことはあるけれど、本が絡むイベントは初めて。私の主戦場である商業出版とは違う文字の表現の世界に、ものを書くこと、綴じた冊子の形にする原点を見た気がして、新鮮な気持ちになった。

商業出版は、「売れるかどうか」が企画の柱になる。けれど、文学フリマでは、自分が「書きたいかどうか」。その熱が来場者を惹きつける。

3回目ともなると、準備にも慣れてきたけれど、今回もZINEを作るまでには至らず。参加申し込みしたときは、やる気満々なのだが、日々の仕事に追われ、つい後回しになってしまう。「言い訳だなぁ」と思いつつ、自分の本と編集に関わった本を並べた。

文学フリマに参加しているのは、わずか1年半だけど、参加者も来場者も回を重ねるごとに増え、人気の高まりに驚いている。コロナ禍による縛りが落ち着いてきたからなのか、どこかで評判が広まっているのか。会場で並べられる作品も、どんどんレベルが上がっている。

文学フリマのいいところは、自分が文学と思うものであれば、何でもあり、の自由さがあるところ。商業出版にどっぷり浸かってきた私には、肩の力の抜けた本づくりの楽しさを半年に一度、思い出させてくれる場所になってきた。

次回まではこれまでと同じく、会場は東京流通センター、来場者は入場無料。その次の回になる来年12月開催は、有明のビッグサイトに移るという。入場料も有料になるそうだ。次回こそは、自分も何か作ろうと思いながら、今日も会場を後にした。

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仕事に関するもの、仕事に関係ないものあれこれ思いついたことを書いています。フリーランスとして働く厳しさが増すなかでの悩みも。毎日の積み重ねと言うけれど、積み重ねより継続することの大切さとすぐに忘れる自分のポンコツっぷりを痛感する日々です。