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死神ではない、神様のくれたお荷物

話が前後する連載で恐縮です。

2019年8月、ついに極悪期に至り、日々死の恐怖とパニックという状況になりました。盆明けの診察で週明けから入院命令、その前に妻子に会いに妻の実家に行くべき、行けるというお墨付きを信頼する主治医の先生にいただきました。

往路当日、新幹線に乗る前からすでに脈拍が125、駅の休息スペースで休ませてもらい、パニックの中決死の覚悟で向かいました。ホームで待っていてくれた妻と娘、何とか生きてたどり着いたんだと思いました。その時の写真、今みてもヤバそうです。

頓服薬でやり過ごす状況の中、「死神がきたからお薬を飲む」という私に、娘は、「死神ではないよ、神様がパパが速く歩きすぎないように、私といっしょに歩いてくれるように、お荷物持たせてくれにきたんでしょ」とのこと。いっしょに近くの池まで手をつないで歩きました。不安な思いをさせて、娘もつらかったはずです。そんな中嬉しい言葉でした。

入院前3日間家族で過ごして、その時の写真をプリントして、苦しい入院初期の病室の入口におきました。眠れない日々の中、それをみながら、そして娘の言葉も思い出しながら、あきらめないで生きのびると何度も心でとなえました。

新薬(SSRI)があたって、少し落ち着くのは、それから3週間はかかりました。娘に生かされた人生だと思います。なくすわけには、裏切るわけにはいかない、と。

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