Valkan Raven #1-5

1-5

 景色の消失した空間に靴音が響く。踵に埋め込まれた鉄板が一定のリズムで地を叩いていたが、音が唐突に止むと別の金属音が鳴る。
 銃声が弾けた水音と混じる。溝の中で漂っていた微小の光が砕けると、水が流れ落ちる音が2度する。
 再び靴音が鳴り始めると、音は急激に加速していく。毒の煙が辺りに振り撒かれると、煙草を噛んだ殺し屋は歯を剥き出して笑った。
 ――そろそろ風呂敷を畳もう、試験時間は数分がBestだ。――

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