【北欧暮らし】ティーンが乗るもの
ドラマシリーズTOKYO VICEを夫と見ていた。主人公がバイクに乗る若者にアプローチするシーン。夫は何よりも彼らのバイクに反応した。
バイクには、背の高い背もたれ、改造されたハンドル、突き出たマフラーがついていて、目も眩む彩りの塗装がされている。
あのバイクは一体…日本で人気なのかと疑問に思ったらしい。この人目を引くバイクの話で暴走族を絡めたら話がブレてしまったが、それでスウェーデンの若者文化の話になった。
スウェーデンの郊外や田舎の行くと、渋滞でもないのに数台の車が列を作り、ゆっくり走っているところに出くわすことがある。その先頭を走っているのは10代の若者が運転する車だ。
車はEPA-traktor (イェパトラクトール)と区分されて車両で最大時速30kmまで出して公道を走れることができる。第一次世界大戦後に労働力増強の流れで認可されたという。
車両にはナンバープレートが無い。車体後部にピンクと赤の三角マークをつけるのが義務だ。
多くは普通自動車を改造して速度が出ないようにしたものだ。運転には免許が必要で今の所15歳以上で取得可能である。
トヨタなどの小さめの車のほか、BMWやAudiもよく見かける。親が太いんだろう。三菱のピックアップトラックまでいたりする。
この中で古いボルボを好むグループがいる。
シャコタン、ハンドルはフサフサしていて、大抵何らかのメッセージが車体か窓に施されている。塗装の色はものすごいピンクだったり、ものすごいグリーンだったり。自分でペンキで塗った?感じの仕上がりだ。
私の通勤路でよく出会う白くちょっと錆びたボルボはハクナマタタがお気に入りのフレーズのようだ。
このグループは高校で建設系の学科に進み、決まったジャンルの音楽を好み、大人になってからも比較的シャコタンで行くらしい。
彼らの好む音楽はメロディがエモく、歌詞の内容はラブ・アンド・セックス。Fröken Snusk (ミス・ダーティ)というバンドが有名らしいが、ファミリーロードトリップで避けたい音楽ダントツ一位だろう。
スウェーデンのEPAボルボ少年と日本の改造バイク少年が重なる。意外な共通点とでもいえないだろうか。
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