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彼が作ったお弁当に泣いた日。

ここのところ、とーーーーーっても忙しい。
私も彼も帰宅は21時頃。帰って、ごはん食べて、寝て起きて働いての毎日。
昨日は、私がどうしても起きられなかった。
寝ぼけまなこに覚えているのは、「まだ寝てていいよ〜」という優しい声と、「今日は俺がお弁当も作るからね」と言う暖かい言葉。


お言葉に甘えて、そこから1時間夢の世界へ戻る。
現実へと向かうと、出汁の匂いと食器洗いまで済ませている彼。
キッチンの作業台の上にはスープジャーに入ったお味噌汁と、ちょっと不格好なおにぎり。



「Fikaちゃん、おはよ〜☺️」


「...おはよ🥹」


感動してしまった。
自分も仕事があるのに、やることをやって身支度を済ませた彼を見て、思わず涙がでそうになった。
気持ちにも余裕がなかった私は、「ありがとう」と「ごめんね」しか言えなかった。


私のほうが後に出るので、とりあえずお見送りに全力を注ぐ。
顔を合わせて、「いってらっしゃい」「いってきまあす」。お互いの両手を合わせてハイタッチ。
これが私たちのルーティーン。
この日はいつも以上に、笑顔を振りまき可愛い声を作った。(彼にしてみれば、そんな小細工をしないほうがかわいいと思うらしいが)



午前中の仕事を終えて待ちに待ったお昼ご飯。
お弁当袋を開けて、彼の作った少し不格好なおにぎりとスープジャーに入った味噌汁を机の上に並べる。
いつも以上に食べるのがもったいなく感じた。
が、お腹はぺこぺこなので全然食べちゃう。



ぱく。


ほろ。


おにぎりを噛みちぎるのと同時に、右頬に流れるものが。誰にもばれないよう、静かに拭いた。
汚れのない優しさをもろに吸収しすぎたためか、私の中の淀みが排出されたみたい。
自分で握るおにぎりの何倍も、何十、何百倍も美味しかった。いつのまにか顔も綻んでしまっていたため、ひとりでニコニコしてるタイプのやばいやつ認定をされたかもしれない。


されてもいい。そのくらい染み渡って美味しかった。私は優しさを食べたんだ。その代償なら安いもんだ。
そして早目に帰って、彼のために夜ご飯を作ろうと決めた。




普通、優しさって普通ギブギブギブギブギブアンドテイクくらいで返ってくる。返ってくればいいほうかも。そう思ってギブしている。
かえってくるのを期待しているわけではない。
ただ、家族やパートナー、周りの人どうしお互いに気持ちよく過ごすための最低限の優しさプラスαくらいのギブ。
すぐには返ってこないけれど、ふとしたタイミングでかえってくることがある。
私の場合はそう。忘れた頃に嬉しいことがかえってくる。逆にそのほうが幸せなのかもしれない。


ただ、私の彼の場合は例外。
ギブアンドテイクテイクテイクくらいの割合かもしれない。規格外の優しさと暖かさをくれる。
表面上の暖かさではなく、内側からジュワ〜〜〜っとくる暖かさ。
私たちは付き合ってもう6年になるけれど、6年間変わらずあたためてくれる。
たぶんブラッシュアップライフしてるんだと思う。
そのくらい人間ができた人だ。
彼が惜しみない優しさをくれるから、私も全身全霊の優しさを注いでいる。つもりである。



今は私がばたついているから彼がやる。
彼がばたつき始めたら私がやる。


優しさっていうのは、結局持ちつ持たれつのバランスが上手く取れているときに成り立つものだと思う。
ただそこに見返りを求めるものでもない。
見返りを求めたらそれは優しさではなくなるから。
「相手がやってくれるから自分もやろう」という気持ちが双方にある時のみ成立する。
ここの主体性の人物が「自分」になってしまうと、見返りがないことによって必ずどこかで不満がでる。
だから心の中では「相手に対しての見返りをギブする」という心持ちでいなければいけないのだ。


私はテイクの割合が圧倒的に多いので、今日も彼に感謝をして眠ることにする。


ソファーでよだれを垂らしてうたた寝をしている彼へ。



いつも本当にありがとう。





さて、また次回。
ほっと一息つく時間を一緒に共有しましょう。





Fika



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