シェア
母がうずくまって泣いていた。 「具合が悪い」「気持ち悪い」 僕が何を言っても返ってくる言葉はそれだけだ。 すかさず背中をさする。顔を近づける。 僕は母に聞いた。 「何かあった?体調崩したなら病院行こう」 そう聞いた瞬間、母から匂いがする。 酒だ。結構な量を飲んだのだろう。 深夜2時ごろの飲み屋から漂う匂いと同じ。 自分が酔っているときは気付かないのに、他人のはどうしようもなく気になる酒の匂い。 それが母から漂っていた。 具合が悪そうながらも母は口を開いた。 「最近お酒ば