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音楽と風景と匂い

私の好きなもの。
私の人生に今まで無くてはならなかったもの。
それは間違いなく音楽だった。

そして、音楽を聞けば思い出す風景や匂いがある。

特に思い出すのは高校時代で
あの頃の私を作っていたのはRADWIMPSだった。

夏の朝には「叫べ」が聴きたくなる。
高校生の夏休み、部活に行く朝を思い出す。
自転車を漕ぎながら、田舎の無人駅のホームで電車を待ちながら、
生ぬるい風と初夏の木々の匂いを感じた。
初めの3文字で目が覚めて少し身が引き締まった。
今日の始まりに対する漠然とした不安を
力強くも優しい歌声と音に包み込んでもらっていた。

夏の終わり頃の夜には「夢見月に何か想ふ」
帰りが少し遅くなった日。
月明かりに照らされながら自転車で橋を渡った。
足が疲れて、自転車はふらふらとしか漕げない。
緩やかな登り坂なので尚更。
夏の終わりと秋の始まりが混じった匂いに
夏が終わる少しの寂しさと少しの安堵を覚えた。

冬になると「おかずのごはん」というアルバムが聴きたくなる。
冷たい空気に触れながら聴く「ふたりごと」が大好きだった。
ふたりごとを聞けば当時の恋心を思い出す。
恋をしたいような、したくないような
そんな不思議な気持ちになるのが嫌いではなかった。

9月になれば待ち望んだかのように「セプテンバーさん」を聴いた。
なぜか9月に聴くと特別心に沁みた。
青とメメメのライブ映像は特別だった。

雨の日にはもちろん「雨音子」を聴いた。
雨は好きではないけど、電車を待ちながらこの曲を聴くのが雨の日の楽しみだった。
少し大人になってから和訳を知って、ちょっと切ない気持ちになった。
それでも、雨が水溜りで跳ねるような軽快なリズムと、可愛らしいギターの音が今でも大好きだ。

色々あった高校生活だったけども
今振り返ってもあの頃RADWIMPSに出会えていて本当によかった。

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