世界に充満する優しい空気
もしあなたが「人様の言うような幸せは掴めなかった」とか「世の人が言うようなこととは違うようにしか生きられない自分がいる」と思うとき、今日読んだ聖書の箇所は、福音、良い知らせ、としてあなたの心に響き渡るでしょう。その響きは、神はあなたと共におり、あなたも神と共にいる生活を新しく形成できるという、希望の音です。その希望の音は、銀貨が見つかる時に、かすかに聞こえる異音、です。
エリヤという名の預言者が旧約聖書に出てきます。エリヤはとことんいじめられ、逃亡生活をします。「もうこれで終わりにしたい」と彼が身体を横たえた時、「起きて食べなさいと」言われ、エリヤは山の中へ誘われます。その山中で、エリヤは地震に遭い、炎に包まれ、絶体絶命の状況に直面します。エリヤはその恐ろしい出来事の中で、これまで人々が伝えてきたように「神は炎の中にいる」のではと、思うのですが、どこにも神を見出すことはできませんでした。エリヤが、神の声を聞いたのは、炎がおさまり、静けさが訪れた時でした。そして、その声は「静かにささやく声」でした。
静かにささやく声は、これ以上はもう無理と、ぎりぎりに立たされた時に響きます。しかも、それが神だ、と思っているのとは違う形、つまり音で、知らされるのです。その静かにささやく声は、銀貨を探している女が箒で家の中を掃いている時にかすかに聞く音と同じです。
さあ、かすかに響くその音を聞くことをめぐって、聖書は私たちに何を語ろうとしているでしょうか。
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