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2021年前半戦総括

 今季は現時点で81試合を消化し、30勝42敗9分・借金12で首位と10ゲーム差の6位で東京オリンピック開催に伴う中断期間へと突入した。
 開幕当初から上手くいかないことが続き、なかなか浮上のきっかけすら掴めなかった。しかし、その中でも光明が全くなかったわけではない。

1 個人編

 まずは、昨季の終了時のチーム内での立ち位置と今季の前半戦終了時のチーム内での立ち位置との比較を見てみよう。

野手

ロール 野手

 野手でコアと準コアだった5人のうち近藤以外の4人は成績が振るわず立ち位置が低下。これが今季のチームの不調の最大の原因だろう。他方で、髙濱を筆頭に王、淺間、石井、万波、石川亮らがチャンスをモノにすべく奮闘。
 後半戦は中田、渡邉、西川、大田のバウンスバックと万波、王、淺間、大田の外野のレギュラー争い、中田が戻ってきた際の髙濱の処遇に注目。

投手

ロール 投手

 投手では昨季先発とリリーフでそれぞれ大活躍を見せた宮西とバーヘイゲンが本来の調子を取り戻せずにいる。これもチームにとっては大きな打撃だった。その一方で、新戦力が躍動。トレードで東北楽天から加入した池田、新助っ人のアーリンは安定したパフォーマンスを続け、イニングを消費してくれている。そして何よりドラフト1位ルーキーの伊藤が上沢とともに先発ローテを引っ張る存在となり、前半戦のチームの救世主に。
 後半戦はリリーフで覚醒した河野の起用法、宮西、玉井、秋吉、公文などかつて勝ちパターンも担ったことのあるリリーバーたちの復活に注目。

2 チーム総合編

 ここまで、個々の選手についておおまかに振り返ったが、チームとしての課題は長打力不足リリーフの層の薄さの2つに集約される。

 ホームラン数は46本、4位タイの東北楽天、埼玉西武の71本と25本差でパ・リーグ断トツの最下位。昨季もホームラン数は89本でパ・リーグ最下位だったが、ホームラン31本の中田の不調・離脱、大田、渡邉の長打力の低下が長打力不足に拍車をかけている。さらに長距離砲として期待される野村も怪我の影響か全42安打中ホームランはわずかに1本のみ。
 万波や王、髙濱といったホームランを期待することができる新たな戦力は出てきているため、本来打つべき選手が戻ってこれば長打力不足の解消へ向かうはずだ。

 もう一つの課題はリリーフ陣にある。現在勝ちパターンの堀、ブライアン・ロドリゲス、杉浦に河野を加えた4人は僅差でも信頼して送り出すことができるが、それに続くリリーバーがいない。
 6月途中から安定した活躍を見せている井口、昨季大活躍だった宮西と玉井、そして秋吉や公文といった実績のある投手が調子を取り戻せばかつてのリリーフ王国の再建も夢ではないだろう。

 今回は、総括として全体を軽くおさらいしたが、明日以降個々の選手にフィーチャーしたレビュー企画を開始する予定なので、そちらもぜひ読んでいただければと思います。

サムネイル:栗山 英樹©スポーツニッポン新聞社

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