七輪でパンとししゃもを焼くイベントでアナーカ・フェミニズムと出会った話
「今度、七輪イベントやるんですけど来ませんか?」
気になっているNPOのスタッフさんからのお誘い
約2週間後、インターンシップに参加するNPOだし、何より「七輪イベント」という普段耳慣れない文言に惹かれた
「行きます!楽しみにしてます!」
秒で参加することに決めた
何でも焼く七輪パーティー
現地に向かうと、事業所の前に畳らしきものが置かれ、七輪の火おこしが始まっていた
「どれくらで火つきそうですか?」
「あと10分ぐらいかな」
イベントの常連だという方が、火ぶぎょうをしていた
火がつくのを見守りつつ、スタッフや他のイベント参加者と雑談
「なんでインターン来ようと思ったの?」
「〜という理念に惹かれて…もう一つは…」
「面接じゃないよw実家は近いの…?」
「祖父母の家が近くて、それこそ散歩で通りかかった時にここを見つけて…」
「じゃあ、近かったからってことでいいやんw」
「…じゃあ、そういうことにしときますw」
いや、ツッコミのノリ良すぎるやろ!、と心の中でツッコミが止まらなかった
そうこうしてる内に、火がついたようで
火ぶぎょうの参加者さんがししゃもを持ってきてくれた
熱々の焼きたてで、めちゃ美味しかった…!
「焼き鳥とパン一緒に焼くのってなかなかないですよねw」
意外な組み合わせとナイス配置に盛り上がる
他の参加者の会話に聞き耳を立てていると、どうやら農家さんがいることがわかり、話しかけに行った
完全にプライベートなイベント参加だったが、研究のための情報が得られるならと「大学院生スイッチ」が入ってしまった
アナーカ・フェミニズムとご対面
「農業とフリースクール、コミュニティみたいな取り組みやってる団体とか知りませんか?」
「福島のバクゲンジン村なら、コミューン、ヒッピー文化があって、いい対象になると思いますよ」
ヒッピー?コミューン?何やそれ…
これはもしや、アタリ(ユニークな人)に当たってしまったんちゃうか…?
「アナキズムってご存知ですか?」
(ほらきた、待ってました、大好きなアナキズム…!
いやいや、今はそういうの聞きたいんじゃなくて…)
そんな心の声とは裏腹に、会話は弾む
「伊藤野枝とかですよね…?私は〜の本読んで知りました」
「では、アナーカ・フェミニズムの方ですか?」
「…?なんですか、それ?」
「アナキズムとフェミニズムが融合した思想で、最近だとタカシマスズとか」
話は盛り上がり続け、はじめの質問からはそれまくった
完全にトラップにはまった
その後、パン、焼き鳥、お酒を食べ、ほろ酔い上機嫌で帰宅した
-------------------------------------------------
翌日、高島鈴(タカシマリン)の『布団の中から蜂起せよ』を買い、読んでみた
男性中心で暴力的傾向の強いアナキズムでは、運動に参加しない/できない人々とは、一緒に立ち上がれない
より大勢の人と立ち上がるには、「布団の中からでも参加できる」「生きているだけでも抵抗である」といった器の大きい考え方が必要である
そのためには、フェミニズムがアナキズムに必要で、アナーカ・フェミニズムには大勢の人を巻き込んだ革命ができる可能性がある
「アナーキー最高!」とバイタリティおばけの人だけで盛り上がるのではなく、その外側にいる人さえも包摂しようとする姿勢に感動した
事実、私自身、アナキズムを支持していながら暴力的/活発な行動への抵抗がある人間だからだ
意味のわからない/絶望的な状況に出くわしては、生きづらさや無力感を感じてきた
なのに、何もできずにここまできた
でも、「生をすり潰そうとするこの社会で生きているだけでも抵抗である」という強さと柔らかさを備えた彼女の言葉に、勇気づけられた
私も、アナーカ・フェミニストで在りたいと思った
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?