「起業家の思考法」

「起業家の思考法」(平尾丈 ダイヤモンド社)
https://www.diamond.co.jp/book/9784478114247.html

30歳でマザーズ上場、35歳で東証一部上場を果たした起業家による本。起業家の思考法として発見力、別解力、実現力、失敗力、成長力を挙げ、特に別解力の重要性について述べている。別解は、「自分らしいやり方」「別のやり方」「優れたやり方」の交わった部分にあるとしている。発見力については、8M(1)目的(なぜやるのか)(2)目標(理想を明確化)(3)問題(理想とのギャップ)(4)昔(過去の情報・過去の問題)(5)自分(マイセルフ)(自分の強み・弱み)(6)周り(仲間、時間、場所など)(7)マーケット(市況、顧客、競合など)(8)未来(今後の課題)が問題発見のカギだとしている。別解力については、「別のやり方を引き出す31のヒント」が紹介されている。
(1)要素に分解して、一部を変える
(2)パラメータに分解して、一部を変える
(3)時間軸を変える
(4)場所を変える
(5)値段を変える
(6)集客や販売チャネルを変える
(7)登場人物を変える
(8)業態を変える
(9)濃度を変える
(10)原材料を変える
(11)お金を払ってでも欲しいものを探す
(12)いらないものを探す
(13)強い部分と弱い部分を探す
(14)特化して価値が出るものを探す
(15)タイムマシンを探す
(16)定数より変数を探す
(17)法改正を探す
(18)新しいテクノロジーを探す
(19)臨界点を超えたり、特定の状況になったりすると価値が出るものを探す
(20)複利になるものを探す
(21)LTV(ライフタイムバリュー)で戦えるものを探す
(22)マイナスが低いものを探す
(23)反対(not A)で考える
(24)規模の違うもので考える=相似形
(25)哲学的に考える
(26)仮定法で考える
(27)未来はどうなるかを考える
(28)みんながいやがりそうなことを考える
(29)アイデアを結合して考える
(30)古い概念をアップデートして考える
(31)他に転用できるものはないか考える
この本でも引用されているが、1965年に刊行された「アイデアの作り方」で著者のジェームス・W・ヤングが書いた「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」を現代版に焼き直した内容である。頭の体操として面白かった。著者の起業家としての経歴はすごいと思うが、この本のその他の部分はそれほど面白くなかった。

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