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「フランス人は生きる喜びを知っている」

「フランス人は生きる喜びを知っている」(Ryoko Paris Guide KADOKAWA)

在仏23年の仏政府公認パリガイドによる、フランスの生活のエッセイの本。恋愛、アペロ、カフェ、バカンス、食事、子育て、家、パリの名所など、非常に様々な内容を庶民の目線から書いている。パリのリアルが伝わってきて、非常に面白かった。「天災と恋愛はいつふりかかるか分からない」(43ページ)、「人生は楽しめるときに楽しむ」(102ページ)、「フランスはコネ社会」(109ページ)、「客より店員の方が偉い」(121ページ)、「ダラダラすることも、一見生産性がないことに時間を費やすことも、生きることを楽しむためには大事だということを、フランス人から学びました」(135ページ)、「生きることを楽しむ。生きることに時間を割く」(136ページ)、「8月はフランス中が充電期間に入り、国全体が一時停止します」(162ページ)、「食育のレベルは社会的階級に比例する」(219ページ)、「フランスではサポートが必要な人に声をかけることは、いたって自然なことです」(233ページ)、「そもそも、「仕事がメイン」の人生ではなく「私生活がメイン」」(244ページ)、「日曜大工はサッカーやデモ行進に加えて、おフランスの国民的スポーツです」(284ページ)、「Le Viager ル・ヴィアジェ(売り手の老人が亡くなるまで手当を払い続ける不動産購入のシステム)」(288ページ)、「東京の山手線の圏内に収まるような小さな町に、平均的なフランス人の月収を一秒で稼いでしまう人々や、生活保護を受けながら生き延びる人々が共存しています」(289ページ)、「パリが最も美しいのは、夜」(302ページ)、「昔から「右岸でお金を使い、左岸で頭を使う」などと言われます」(328ページ)、「パリほど映画的な町はない」(334ページ)、「「ストライキをする」という行為は「当然の権利」として認められています」(357ページ)、「デモやストに寛容である背景には、フランスでは個人が幸福を追求するために社会全体に「迷惑」をかけることへの寛容性があるように思います」(361ページ)、などなど、興味深い言葉や、日本との違いを再認識させる言葉がたくさんあった。ガイドだけあって、歴史や文化についての説明も非常に詳しかった。

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