エジプト旅行記その1

小学校の修学旅行はエジプトでした。
これ、酒の席とかでうっかり話すと、大体3回くらい聞き返されます
そりゃそうですよね。

「子供の頃の修学旅行、どこだった?」
「フツーに京都・奈良だった」
「うち沖縄」
「北海道行った」
「いいな~」
「うちはエジプト
「えっ?」
「えっ?」
「だからエジpt…」
「え…えっ!?!?」

大体いつもこんな感じ。
私立だったの?と聞かれるのですが、たとえ私立だったとしても、行くならもっと手軽でキャッチーな国に行くと思います(失礼)。
ただ前の記事で述べた通りで、アラビアから日本の修学旅行と同じような場所に行っていたら、どんだけセレブリティなのっていうくらいお金と時間がかかるのです。移動だけで。
なので近場でエジプト。手軽にエジプト。

前年度の生徒が行ったギリシアがちょっと羨ましかったもので、エジプトって決まった時は正直『くそっ』と心の中で毒づいたものですがね。思えばピラミッドとスフィンクスなんて子供から大人まで、誰でも知ってるものですから、教科書に出てくるあの写真の場所に実際行ける。中入れるっていうのは、子供ながらにいい体験したと今では思ってます。

さて。しかしていざ私がそのエジプトに行くまでに、我が家庭ではひと悶着ありました。
それもそれ、修学旅行でエジプトに行くとわかったウチの母。
「エジプトはカラスミが有名だから、あんたこれもってカラスミ買えるだけ買ってきなさい
なんてことを言い始めたワケですよ。
カラスミとはボラの卵を塩漬けにしたもので、長崎や台湾が名産の珍味。つまり酒のツマミです。しかもわりと高級なヤツ。
アラビアには基本的に子供一人で行ける店はありませんから、お小遣いなんてもらったことのない小学生の私が、酒のツマミのためにいきなり5万円とか渡されるワケです。それもびっくりモノなんですけど、渡されたのは当然サウジの通貨“サウジアラビアリアル”。エジプト国内で使用するには両替が必要です。流石に小学生の頃の自分にはちょっとハードルの高いミッションだったもので、そのことについて正直に先生に相談したんですよ。
するとね。先生が、
「え、 お小遣いは一人○○リアルまでだからそれ以上は持っていけないよ 」
と言うワケですよ。
そりゃそうです小学生だもの。お小遣い無制限とかそもそもアリエナイ。
でもその金額ではとてもカラスミは買えない!
つまり母のミッションを達成できない!
親と先生の間に挟まれて困った私が母にその旨を伝えると…
我が母一言
明日、先生ウチに連れてきなさい


ええと…(冷や汗
前の記事で、カフジでは単身赴任者をファミリーが家に招いてふるまう風習があるって書いたと思うのですが、実はそれ、学校の先生も例外じゃないんです。特にこの時の担任はウチに来て2キロの肉を平らげるぐらいの、大食漢で有名な(今の私からすると)若い男性教師で。よくウチでご飯を食べてたんです。
当然、ウチの母には頭が上がらず…

もうね。
ウチに来た瞬間説教ですよ。母が先生に説教。たぶん誰も見たことないと思いますこういう構図。母が先生に説教。

母:「エジプトに行くのにカラスミ買ってこれないとかどういうことなの」
先生:「え、カラスミってエジプトに売ってるんですか?」
母:「有名じゃない!エジプトって言ったらカラスミよ!」
私:(呑兵衛的にはね…)
先生:「いや、でも学校でお小遣いは決められていて…」
母:「 じゃあ ア ン タ が 買 っ て き な さ い


先生&私、閉口。

おかげで私が母のミッションをこなす必要はなくなり、何の問題もなくエジプトに行けることになったワケです。

以上、エジプトに行く前からてんやわんやのお話でした。

説教を受けたのが一番右の背の高い先生。