エジプト旅行記2

て、エジプト修学旅行の話の続きです。
いよいよ修学旅行当日になり、当時小学校3年生だった生徒3名・教師2名・看護婦1名でカフジを出ることになりました。
近所の空港まで車で3時間。そこから飛行機で4時間ほど乗るとエジプトに着きます。お手軽ですね
日程は機内泊なしの2泊3日。
初日はカイロ博物館に行ってミイラの作り方を学び、その後はパピルスのお土産店に行ってパピルスの作り方やヒエログリフを学ぶ。翌日ピラミッドとスフィンクスを見学。そして最終日は買物。確かこんなスケジュールだったと思います。うろおぼえですけど。

当時はまだインターネットがなかった頃。しかもアラビアには書店が何もない。つまりガイドブックがない(あったとしてもたぶんアラビア語だから読めない)。だから、今から行く国や地域の情報をほぼ仕入れられないまま、とりあえず人に聞いた情報を頼りに行ってみる…っていうことが多かったように思えます。
だから、いざ現地へ行った時の衝撃とかすごかったですね。予告なしに映画のセットに放り込まれたみたいな。全てが目新しい。修学旅行のしおり作りも兼ねて、学校の図書館にあった『まんがピラミッドのひみつ』とか熟読していったんですけど、まぁ役に立たなかったですね。そりゃそうですよね。必要なのはオンタイムの情報なわけですから。
だからあの頃海外の旅行のスケジュールを立てるのって、飛行機のチケット購入やホテルの手配も含め、今とは比べ物にならないくらいきっと大変なことだったと思います。連れていってくれた先生達にほんと感謝だな~。

とまぁそれはさておき。
エジプトで一番強烈な思い出は、なんといってもピラミッドの中が臭かった ことですね。

暑いのも狭いのも(往路と復路が同じなのに道幅がどう考えても1人分)息苦しいのも我慢できますが、なんかこう…とにかく異臭がヤバい。あれはカビの臭いなのか…?いや、そもそもカビってどんな臭いなのか…。
しかも、ようやく本でよく見る王の間と呼ばれるとこに到達しても、…なんか…その…何もないただのだだっ広い部屋で。
当時インディジョーンズとか見ていた私が頭に描いていた “ザ・遺跡”感 は全くなく
壁もシンプルで文字とか絵が描いてあるわけじゃないし。
棺とか何かが置いてあるわけでもないし。
財宝とかないし

…。
…う~ん…。
この狭い道を歩いてきた果てにあったのがコレかと思って、すごくしょっぱい気分になったことを覚えています。
今ならあの四角垂の建物の中にこんな部屋を作れるなんて、当時の人達はすごいな!っていうオトナの感想も言えると思うんですけどね。結局『 ピラミッドは入るものじゃなくて眺めるものだな 』という見解に落ち着きました。
しかも、ピラミッドって砂漠の中にポツンとあるイメージだったのに、行ってみたらすっごい町に隣接してましたからね。あれも砂漠のど真ん中にあるっていう“作られたイメージ”なんだなぁって、初めて知りました。
ちょっとがっかり。
スフィンクス工事中で顔なかったし。

その代りと言ってはなんですが、ピラミッドを見に行ってすごく楽しかったのがラクダ!ラクダに乗せてもらったことです!
カフジも砂漠に行くとその辺を遊牧民が飼ってるラクダがうろついていますが、奴等は乗り物用じゃなくてたぶん食用とかミルク用とかなんですよね。だから近づくと逃げるし、乗るための鞍とか付いてない。野ラクダなんです。そもそもサウジアラビアは観光地ではありませんしね。
だからラクダってそれまで乗ったことがなかったんです。
でもピラミッド周辺は、観光客をラクダに乗せる商売をしてる人がたくさんいて。念願叶って、この時私はラクダに乗れることになりました!

でも、写真を見ればわかっていただけると思うのですが、ラクダって立つと大人の身長をはるかに超えるくらいの高さになるんですよね。そもそもあのラクダ、座っててもまだ乗る位置が高すぎて乗るまでも一苦労なんですけれど…、立ち上がった瞬間あまりに高すぎて最初はめちゃくちゃ怖かったです。歩くたびにぐわんぐわん揺れるし。

でもやはりこう、動物に乗るってロマンがありますよね。私だけですかね。
昔から馬とかロバに乗るのって、すごくテンションあがります。
最後ラクダに乗せてくれた兄ちゃんにぼったくられたのも、今となってはいい思い出(勝手にもう一周連れまわそうとしてくる)。

あと感動したのはやはりカイロ博物館で見た、ツタンカーメンの黄金のマスクですね!古代エジプトと言ったらコレ!って感じのアレです。

今なら絶対インスタにあげてた
がっつりメイクしてるせいか、わりと漫画っぽい顔してますよね。
流石にミイラとかは苦手だったのであまり見ないようにしてましたけど(たまに包帯から中身が覗いてるところがある)石像とか装飾品とかヒエログリフとかそういう古代文明って子供の大好物じゃないですか(大体インディジョーンズの影響)。いわゆるヨーロッパ系の普通の美術館を見て回るよりもずっとときめいた記憶があります。

あと記憶に残る思い出は、たぶんエジプトに修学旅行で行った学生は誰もが体験するであろうパピルス制作現場の見学。ヒエログリフで名前を描いてくれたりと、なんかここだけめっちゃお土産屋さん的な匂いがしてましたね!
一応自分の名前を描いてもらったパピルスを買いましたけど、たぶん今なら買わない

こうしてパピルスと螺鈿細工をあしらったアクセサリーケースを土産に買い、小学三年生の修学旅行は無事終わりました。

あ、なお担任の溝口先生ですがカラスミは無事ゲットしていたようです。
土産物を買う時に私ら生徒完全放置されてましたけど、先生にとっても当時の私にとっても最重要課題でしたから、恙なく事が進んで良かったなぁと思った次第です。

以上、エジプト修学旅行のお話でした。