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不思議な世界2

良い建築家の条件は、話を聞かず、とにかく人としてどうにかなっている人だと聞いたことがある。そうなってきているのだろうか。
憧れた背中はまだ遥か遠くにある。このまま力尽きてしまうのか、まだ進めていけるか。なんとか、続けてる感じもある。続けた方がいいのか、やめた方がいいのかよく迷うこともある。そもそもなんでやっているのかは今となってはわからなくなってきた。わからないというのは正確ではない。次の明確な目標がなくなっているわけでもなく、少し変わってきている。年齢を重ねて、現場をやり終わるたびにこうだろうか、いや違うなとまた違う方向に進むようになる。独立してからあまりに多くのことがあったので、目まぐるしく状況が変わっていく。
規模が大きくなったり、小さくなったり、狭かったり、色々だ。ただ、沢山の出会いの中で、他ではない経験をさせてもらっている。お世話になってる方に建築を続けてほしいと言われることがある。その人も建築を学んだが、別の道に進んだ。建築の設計の世界をリサーチした結果、進むべきかどうか迷うことはなく、人として生活できないと思ったそうです。下積みの長さや、その後の生活の不安、うまくいく保証がほとんどないと判断して、大手企業に勤めたそうです。そんな道もあったのかもしれないし、それが自分にもあっているのかもしれないかと思うこともあり、今更そんなことを考えても仕方ないですが。大抵苦しんでいる時のことが、後々、役に立つことがある方が多い気もしています。バックパックを背負って帰ってきて勤めた会社時代、休みもなく、長時間働いていて、何もいいことないなと日々過ごしていたけれど、その時の出会いが、今かなり自分を助けてくれています。あの時あそこにいたから、今があるんだと思っています。どこでどう面白くなるのかは全くわかりませんが、今キツイなとか、理不尽に思えることも後数年経てば、よかったんだなと思っている可能性が高いです。
そんな不思議な巡り合わせをなんとか凌いで、また、その出会いに乾杯と行きたいです。

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