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子宮にできるポリープについて~頸管ポリープ・内膜ポリープ~

皆さんこんにちは

産婦人科医の内田美穂です。

皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。

今回は、「子宮にできるポリープ」についてお話したいと思います。


ポリープには、「子宮頸管ポリープ」「子宮内膜ポリープ」の2種類があります。



子宮頸管ポリープ


まずは、「子宮頸管ポリープ」について説明します。

婦人科疾患の約4%にみられ、30~60歳代の方に多く認められる疾患です。

原因としては、慢性的な炎症や高エストロゲンによると考えられています。

症状は、ほとんどの場合、無症状ですが、不正性器出血おりもの異常を認めることもあります。

ポリープの9割は良性のものですが、まれに悪性のものが見つかることもあるため原則的にはポリープを見つけたら切除して検査することになります。

通常は外来で簡単に痛みもほぼ感じず切除可能ですが、大きなポリープなど簡単に切除できなさそうと判断した場合は麻酔をして切除することもあります。

切除後は、少量の出血が数日ほど続きますが、まれに出血量が多くなることもあるためそのような場合は診察を受けてください。


皆さんにご理解いただきたいこと


ここで皆さんにご理解いただきたいことがあります。

外来で簡単に検査や治療ができるものでも、まれに大量に出血するなど予想外の合併症が起きてしまうことがあります。

適正に施術された場合でもすべての医療行為には合併症のリスクがあることをご理解いただき、何かご心配な症状が出たら早めに医療機関への連絡をお願いします。


子宮内膜ポリープ


次に、「子宮内膜ポリープ」について説明します。

子宮内膜の組織の一部が子宮内腔に突出したもので、40~50代に多く認められます。

症状は不正性器出血、月経異常などですが、不妊症の原因にもなることもあります。

このポリープも9割は良性ですが、まれに悪性のものが見つかることもあります。

症状があるもの、悪性腫瘍が疑われるもの、不妊症の原因と考えられるものは切除となります。

特に閉経後で1.5㎝以上のポリープ、乳がんでタモキシフェンを使用しているなどの場合は悪性腫瘍のリスクが高くなるので切除をおすすめします。

切除方法はいくつかありますが、しっかり切除できて再発率が低い、子宮鏡を併用したポリープ切除が推奨されています。

今回2種類のポリープについて説明しましたが、ポリープがあっても、無症状で気付かれないこともあります。

婦人科検診を定期的に受けることで早期発見・早期治療ができますので、ぜひ定期検診を受けるようにしてください。

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