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思春期の変化‗男の子のからだ~小・中・高校生と親が知っておくべき知識~

皆さんこんにちは

産婦人科医の内田美穂です。

皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。

今回は、「男の子のからだ」についてお話したいと思います。



男性のからだ


まず男性のからだについて説明します。

男性の性器は、からだの外からみえる外性器と、からだの中にあり外からはみえない内性器に分けられます。

外性器は、ペニス尿道口亀頭陰嚢です。
内性器とは、尿道精巣精管精嚢前立腺があります。

陰嚢の中は、精子をつくって貯めておく「精巣」と、精子の通り道の「精管」でできています。

陰嚢は精巣内の温度管理を一定に保つために、体が冷えると陰嚢を引き上げて縮こまり、外気温が高くなると下がってきます。

思春期の変化


次に思春期の変化について説明します。

思春期とは、8~9歳ころから17~18歳ころまでとされます。

第二次性徴が現れ、身体の変化がおこるとともに精神的にも自立へとむけて大きな変化が起き、子どもと大人の狭間で揺れ動く時期です。

からだの変化に心が追い付かず不安や戸惑いを感じたり、性に対しての興味もわいてくる時期です。

親との関係よりも友人との関係の方が親密になったりと、周囲とのかかわり方も変化していきます。

子どもが親離れをする過程で自分のことは自分でできるようになっていきますが、これと同時に保護者の役割も「見守り」へ変化し、子離れしていくことが課題となっていきます。

からだの変化


男子は体全体ががっしりして、声も低くなります。いわゆる「声変わり」です。

ひげが生え、脇の下や性器の周りに毛が生えてきます。

やがて射精を経験しますが、初めての射精のことを「精通」と呼びます。

精通について


「気持ちよくてペニスを触っていたら白いネバっとした液体が出てきた」という場合もあれば、眠っている間に経験することもあります。

この出てきた白い液体のことを精液といい、赤ちゃんのもとになる精子が含まれています。

もし下着が汚れてしまったら、下着を軽く手で洗ってから洗濯に出しましょう。
 
初めてこれを経験するとびっくりしたり、ショックを受けることもあるかもしれませんが、これは大人になる過程でおこる自然なことです。

射精があるということは女性を妊娠させることができるからだであるということでもあります。

思春期の男子の悩みで多いもの


思春期の男子の悩みで多いのが「包茎に関すること」、「ペニスの形や大きさに関すること」、「射精やマスターベーションに関すること」です。

マスターベーションについては別の記事でお話ししようと思うので、ここでは包茎とペニスの大きさについて説明します。

<包茎について>


ペニスが勃起したとき、先端の亀頭の部分が出てくる場合は「仮性包茎」、亀頭が出てこない場合は「真性包茎」といいます。

多くの人は仮性包茎なので、皮をむいてあらって、垢がたまらないように清潔にしておきましょう。

真正包茎は思春期以降でほとんど見られなくなるので治療は行わず、様子をみることがほとんどですが、病院で出される軟膏で治療することもできるので、気になるようであれば泌尿器科で相談してください。

一部の医療機関で包茎の手術を積極的に勧めるような広告が出ていますが、多くの場合、手術は必要ありません。

広告のすべてを信じて、高額なお金を払って不必要な手術を受けないよう気を付けてください。

<ペニスの大きさについて>


次に、ペニスの大きさについて気にしている人も多くいますが、女性の腟の長さは6~8㎝くらいであるため、ペニスが勃起した状態で5㎝もあれば問題ないと考えられています。

大きいことがいいと勘違いされがちですが、大きすぎてセックスの時に女性が痛くなってしまうこともあり、必ずしも大きいことがいいことではありません。

誰かとまじめにお付き合いするときに、女性のおっぱいの大きさを見て判断しますか?

それと同じように女性もみなさんが悩んでいるほどペニスの大きさを気にしていません。

大切なのは二人のコミュニケーションです。

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