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更年期から発症しやすい脂質代謝異常

皆さんこんにちは

産婦人科医の内田美穂です。

皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。

今回は、「脂質代謝異常」についてお話したいと思います。


脂質の異常は何が問題となってくるかご存じですか?

脂質が多い状態が続くと動脈硬化を引き起こし、将来的に心筋梗塞や脳梗塞を発症してしまうことがあります。

脂質異常があっても自覚症状がないことが多いため、検診等で定期的なチェックが必要です。

また、動脈硬化を予防するための知識を得て、生活習慣に取り入れていくことが大切です。




脂質検査について


脂質検査は、空腹時に採血をすることによって診断します。

空腹時とは10時間以上の絶食をいいます。

水やお茶などカロリーのない水分は摂取可能です。

異常値について

悪玉コレステロール (LDL-C) ……  140㎎/dL以上
善玉コレステロール(HDL-C) …….  40㎎/dL未満
中性脂肪(TG) …….…….…….…….…… 150㎎/dL以上

女性の場合、総コレステロール(TC)と悪玉コレステロール(LDL-C)は50歳頃より急激に上昇します。

中性脂肪(TG)は40歳以降に上昇します。

善玉コレステロール(HDL-C)は50歳以降に低下する傾向があります。

つまり閉経後に脂質異常をきたすということになりますが、これにはエストロゲン低下も密接に関係しています。


治療について


まずは生活習慣の改善が優先になります。

もし、ホットフラッシュなど何かしらの更年期症状があればホルモン補充療法も検討してください。

生活習慣の改善をはかっても脂質異常を認める場合は、内科での薬物治療が必要になります。

▼動脈硬化を予防する生活習慣改善方法については、こちらの記事でお話ししています!

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