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地図としてのBuying Process


Buying Processを意識する

すでに出来上がっているビジネスであってもそうでなくても、まずはそのビジネスがどの状況にあるのかを意識するのは非常に重要な要素だと思います。SWOTをやってみてもいいと思いますが、個人的にはあまり役に立った経験はありません。(外資系企業の場合、製品は本社主導で開発され、Value Propositionが出来上がっているケースが多いからかと)

一方で、僕が何度も見つめて考えていたのが、Buying Processの図です。

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AIDMA, AISAS, DECAXなど様々なフレームワークがありますが、自社ソリューション/サービスにあう形で少しずつカスタマイズすることで、この図だったりほかの図だったりを使います。今はマーケティングをやっているので、左側が比較的埋まっています。

優先順位づけ、あるいはボトルネックの発見

例えば、製品を市場に送り出したばかりのフェーズではこのBuying Processには穴がたくさんある状態です。認知をあげる活動をしていないので、認知フェーズに課題がある、意思決定フェーズにおいても何が重要なファクターなのかわかっていません。

ただどこに穴があるかを見つけられれば、今自分自身が置かれている立場に応じてBuying Processのどこに手当てをするかを意識するできるようになると思います。

また別の例ですが、以前に何かの勉強会でお話ししていた時に”The Model”の図を使ってお話しされていたのですが、その際も製品の立ち上がり時点では、営業が売る領域を強化し、その後、左側(マーケティングから営業へパスする領域)へと順序立てて戦略的に進めるといいよね、みたいな話がありました。

この話と同様に、現在自分自身が担当する製品はどういうことをしなければならない状態なのかをしっかりと考えることで、闇雲にたくさんのことをやらなくてはいけないと思い込んでしまい、精神的に忙殺されることを回避することができると思います。その優先順位をつける際にも、Buying Processが重要だと思っています。

目標の明確化のHOW

穴がたくさんある状態で何から何までやらないといけない気になりますが、そこは一度引いた目で、「今最も達成しなければならないことは何か?」をまず考えます。大抵製品が市場に送り出された当初は、「まずは数社に売り実績を作る」みたいな目標になるでしょう。さらには、その目標には、「今後の導入が他の会社にも広がるように」のような目標を強化するような文脈も現れると思います。「なぜなぜ分析」などの手法を使い、この目標を強化すると良いと思います。

仮説を立てる

目標が明確になったら、その目標を達成するために、Buying Processのどこで、どのようなアクションをとるべきかを考えます。この際にもたくさんのアイデアが出ますが、どれが一番効果的な可能性が高いかを考え、優先順位をつけることが重要です。

例えば、まだ製品が売れる勝ちパターンが確立されていない場合には、それを作るために、特定の業種の顧客だったり、企業の規模感でいえば従業員5000人以上の大企業などとターゲットを決めて、提案しに行くという活動案に落としていきます。

すると自ずと直近3ヶ月〜6ヶ月くらいの活動が明確になってきます。

今日はこのへんで

という感じで、五里霧中で試行錯誤する中で今思い返すとBuying Processの図を何度も見返し、都度アップデート、していくようなBizDevを進める上での地図となっていたように思います。もちろんこれだけではないのですが、ここからはじめることで今どこにいるのか、どこがブロッキングイシューになっているのかを明確にすることができるので非常によいフレームワークです。

また、付記しておきたいのは、これは一人で考えるケースもありますし、複数人(僕の場合だと2−3人)でブレストしたり、各人が顧客との会話の中で得た情報、アイデアなどを出し合って組み立てていくことでクリアな共通認識を作ることができました。こうすると、この2−3人が同じ活動に注力していけるので、社内でのバイラル効果にも繋がったと思います。

では、今日はこのへんで。

もしも活動をサポートいただけるようでしたら、書籍の購入費用に当てさせていただきますm(_ _)m