DNA捜査法制化 日本 20220305

 事件捜査では、個人識別の精度が高いDNA型が有効です。
 しかし、日本にはDNA捜査について定めた法律がありません。
 DNAの採取やデータベースへの登録・抹消などの手続きは国家公安委員会規則や警察庁通達により運用されています。

http://www.asahi.com/articles/ASQ356KNRQ35UTIL00C.html
「DNA捜査法制化を」 事件の遺族ら要望 早期解決めざし:朝日新聞デジタル
https://www.npa.go.jp/hakusyo/h20/honbun/html/kd320000.html
2 科学技術の活用
平成15年8月から導入した、9座位(注4)のSTR型及び性別に関するアメロゲニン座位の型を検出するSTR型検査法では、日本人で最も出現頻度が高いDNA型の組合せの場合で、約1,100万人に1人という確率で個人識別を行うことが可能となった。18年11月には、新たに6座位を追加して15座位のSTR型とアメロゲニン座位の型を検出するSTR型検査法を導入し、現在、日本人で最も出現頻度が高いDNA型の組合せの場合で、約4兆7千億人に1人という確率で個人識別を行うことが可能となっている。
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/interview/20160219_01/index.html
「進歩目覚ましいDNA型鑑定 犯罪捜査で威力の一方問題も」 第2回「再鑑定の保証実現に国民の監視も」(押田茂實 氏 / 日本大学名誉教授) | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
半面、微量でも検査ができるということで、よこしまな検査官がいたりすると偽造も簡単ということになります。科学的証拠とする以上、第三者が間違いないとチェックできる「再鑑定の保証」が必要ということになります。それなのに警察側委員の反対で、日本DNA多型学会が作成した「DNA型鑑定についての指針」に盛り込まれていないことも前にお話しました。
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/interview/20160219_01/index.html
「進歩目覚ましいDNA型鑑定 犯罪捜査で威力の一方問題も」 第2回「再鑑定の保証実現に国民の監視も」(押田茂實 氏 / 日本大学名誉教授) | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
DNA型鑑定の評価で何が重要かというと、次の四つです。その一つは「試料をどのようにして採取したか」です。二つ目は「どのように検査を行ったか」で、三つ目は「出た結果がどのような意味を持つか考察したか」。四つ目は「再鑑定のために試料をどのくらい残したか」です。一つ目が最も注目される問題です。2005年に栃木県今市市で小学1年生の女児が行方不明になり、翌日、茨城県常陸大宮市の山林で遺体が見つかった事件がありました。9年後の一昨年、犯人とされた男性が逮捕され、現在、裁判中です。この事件は女児の遺体から男のDNA型が検出されたのですが、数年間犯人逮捕には結びつきませんでした。調べてみたら捜査幹部のDNA型でした。
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/interview/20160219_01/index.html
「進歩目覚ましいDNA型鑑定 犯罪捜査で威力の一方問題も」 第2回「再鑑定の保証実現に国民の監視も」(押田茂實 氏 / 日本大学名誉教授) | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
私が弁護側鑑定人として関わったケースとしては、2010年11月28日に下関市で起きた放火・女児殺害事件があります。被告は無罪を主張しましたが、女児のトレーナーや現場にあったおもちゃなどから被告と同型のDNA型が検出されたとする証拠が検察側から提出されていました。ところが、山口県警の科学捜査研究所は、鑑定書も一切作成していないし、試料を採取した方法をはじめとする鑑定過程の記録写真も撮っていません。何が残っているかといえば、たった1ページの鑑定結果通知書なるものがあるだけです。「鑑定結果は表のような通り」「試料は全量消費した」といったことが書かれた通知書が、科学捜査研究所からファクスで鑑定を依頼した警察署に送られる。こうした処理が当たり前になっていたのです。
実際に科学捜査研究所の職員は裁判で「DNA鑑定の件数が多いので、2006年から1件も鑑定書は作成していない」と証言しています。このようなことは異様で、他の地域では経験したことがないということを証言し、その後現地で記者会見もしたのですが、それにもかかわらず山口地裁も広島高裁も「懲役30年」の判決を下しています。
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/interview/20160219_01/index.html
「進歩目覚ましいDNA型鑑定 犯罪捜査で威力の一方問題も」 第2回「再鑑定の保証実現に国民の監視も」(押田茂實 氏 / 日本大学名誉教授) | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
いずれにしろ表面に凹凸のあるエアバッグに付着したDNAを取り除いて、偽造することは素人には絶対にできないことは明らかです。この日には、警察庁科学警察研究所の室長(DNA型鑑定専門)も証言したのですが、証言内容は法医学的常識のないひどいものでした。

 以上から、日本においてDNA捜査が法制化されない理由は、捜査における恣意的判断を容認しているためと判断されます。

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#fictitiousness #2022

http://www.asahi.com/articles/ASQ356KNRQ35UTIL00C.html
「DNA捜査法制化を」 事件の遺族ら要望 早期解決めざし:朝日新聞デジタル

記事を読んでいただきありがとうございます。 様々な現象を取り上げ、その現象がどのように連鎖反応を誘発し、その影響がいかに波及するかを検証、分析していきます。 皆様のお役に立てればと考えております。 応援のほど、よろしくお願いいたします。