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日常に誤操作防止機構がなさすぎて怖い

万が一、ブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまったとしても、急発進しないようにする。

そんな装置が付いた車が少しずつ広がっている。

電子レンジは蓋を開くと自動で停止するし、分解するのが危険な機械には特殊ねじが仕込まれている。

こういった「もし人為的ミスが起こったとしても安全に対処できるようにする」「人為的ミスが起こらないように防ぐ」機構が世の中にはたくさんある。

特にプログラムで動くITの世界では目にする機会が多いと思う。

例えば、会員登録画面にて電話番号を全角で入力すると「数字は半角で入力してください」と表示されたり、誤った操作をしても [元に戻す (undo)] ボタンでなかったことにできたりする。

私も若輩ながらWebエンジニアをやっている以上、そのような機構を設ける側として、ユーザーがどんなとこでどんなミスをする可能性があるかを考える機会は多くある。


だが、基本的にそういった機構は機械操作やアプリ操作といった「誰かが作ったもの」にしか備わっていない。

何が言いたいかというと、世界には、日常にはそんな機構が備わっていないということだ。(神が世界を作ったのだとしたら、人を過大評価しすぎたと思う。)

例えば、目の前の知らない他人をいきなり殴ろうとしても、オンライン会議中に急に奇声を発したとしても、でっかい冷蔵庫を万引きしようとしても、世界はそれをエラーとして弾くことをしない。

存在するのは「罪に問われると今後の人生にダメージがある」というその抑止力だけ。その後 罪に問われたりするが、その行動自体ができないように体が硬直したりする仕組みが世の中にはない。

もう人生なんてめちゃくちゃになれ!! とか思っている人がいたとしたら、その人は物理法則以外のすべてのルールから解き放たれるので何でもできてしまう。そうでなくても、「魔が差す」という言葉もある。

あんまり言及したくないが、無差別に人を殺すなんてことあってはならないのに、なぜかエラーで停止することなく行動が通ってしまい、行動が終わった後に「裁き」という処理に入る。

それが本当に怖い。

これがアプリ上なら異常な行動の多くはエラーになるのに、より影響範囲が大きい日常ではそういう仕組みが一切ない。

もっと言えば犯罪にならないギリギリのことなら本当になんでもできてしまうわけだ。

私は常にそれを恐れている。
エレベーターに他人と乗っている時も「ここで急に踊りだしたら相手は心底ビビるだろうな…」とか思ってしまうし、コンビニにいる時も「会計した瞬間に商品の封を開けコンビニ内をうろうろしながら食べ始めたらどうなるんだろう…」とか考えてしまう。絶対にしない、とは言い切れない。するつもりは毛頭ないが。

これを見てるあなただってそうだ。今「この人の思考こわ… そんなことないだろ…」と思っているだろうが、やろうと思えば横断歩道を側転で渡ることができるんだ。明日の朝起きた瞬間、枕を思いっきり引っ張ったあとそれを携えてお出かけすることもできるんだ。あなたが友達からもらったプレゼントを思いっきり噛んでぐちゃぐちゃにすることだってできるんだ。


この世界が本当に怖いよ、私は。


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