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【最終章で怒涛の納得ラッシュ!】『映画を早送りで観る人たち』を読んで

こんにちは読書&映画好きのフージーです。

今さらながら、この本を読みました!
『映画を早送りで観る人たち』

ちょっと前に、話題になっていたことは知っていました。
ようやく、手にとって読んでみたんですね。

結果どうたったか・・・?
結論からいうと、めちゃくちゃおもしろかったです!!
じぶんは年100冊以上読む読書好きですが、個人的今年の本ベスト10には入ります!!

・・・ただ、この本は「とある大きな特徴」がありました。

それは、中盤までは”全く面白くない”という点。
面白いではなく、面白く「ない」です。

じゃあなんで紹介したのか。
終盤、ラスト1割ぐらいの箇所から、怒涛のとんでもないおもしろさが隠れているんです!ほんと―に驚いた!!

そこで、簡単に書評をまとめていきます。


前提:わたしは倍速賛成派です

前提として、わたし自身は倍速再生に対して「大賛成派」です。

映画は月に数本は観るのですが
かならず1.5倍速や2倍速で見ています。

それで、「映画を早送りで観る人たち」なんて言う本を見つけてめっちゃ気になって買いました。


だって、「これ、絶対に倍速再生を批判してるでしょ~?」と容易に想像できるタイトルだったからです。

かかってこいよ!という気分で読みました(著者の方、ケンカ腰ですみません・・・笑)

中盤までは納得のいかない論理展開

ぶっちゃけて言うと、
本の途中までは、まったく納得いかない、よくわからない論理展開でした。
(失礼極まりない・・・笑)

映画は、「間が大事」だとか、「等倍速で観られる前提で作ってる」とかとか、、。

・・・う~ん、それはわかったうえで、倍速再生で得られる「メリット」が上回っているからそうしているんですよね。

なお、わたしが考える倍速再生(早送り再生)のメリット/反論材料は以下です。

  • 2時間の映画でも1時間で見れる、という時間的な気軽さが得られ、「結果的に多くの作品に」触れられる。(2倍以上の作品数を観れる)

  • 等倍速だと集中力がもたない…。倍速のほうが「最後まで集中して」楽しめる

  • 本書で紹介されているような、10秒スキップは使わない。あくまで早送り再生をするだけで、「すべてのシーンをしっかり」みる派。だから、情報が抜け落ちることはない。


また、「映画は等倍速で観るのが正しい」と言いますが、情報の受け手側は、色んな人がいて、色んな受け取り方をしているはず。

たとえば、
ある若者が1.5倍速で観ているものが、
高齢の方からすると等倍速で観ているのと同等の見え方をする。


・・・なんてことも、あるだろう!感じていました。

色々書きましたが、つまりは、以下ということです。

「中盤までの著者の主張は全く納得できん!!」

終盤で、とんでもない納得感!!

ぜんぜん納得できんな~とも思いながら、読了まで読み続けました。
「最後にどんな展開で締めくくられるのだろう」と、楽しみにしていたからです。

そしたら、なんと!!
最後の最後で、怒涛のおもしろさ。超絶納得感の強い話が書かれていました!!

それは、以下の章から。
「かつて、倍速視聴にいちいち目くじらを立てる人がいた」

急に、「お・・・!?」となる章です。
倍速再生の反対派として話が展開していたはずが、急に逆の意見が書いてあるからです。


では、この章で何が書いてあったのか。
ざっくりとまとめるとこんな話でした。

  • 倍速再生うんぬんの前に、本来、映画は「映画館で」みるもののはず。それが家庭で観られている時点で、正しい鑑賞法といえるのか?

  • ビデオデッキなどが普及した際、上記のような議論が実際によくなされた。新しい技術が取り入れられると、必ず既存の人たちから反発があるというのが時代の”あるある”。

  • 資本主義である以上、「より便利に」「より安く」「より快適に」できる手段が出てくるのは当然のこと。倍速再生も、数十年たったら当たり前のものになるのでは?


こ、これだ・・・!!
もやっとしていた自分の気持ちをバサッと言語化してくれた気分でした!!

本文の一節を引用すと以下のような感じです。

我々は、「昔は、レコードなんて本物の音楽を聴いたうちに入らないって目くじらを立てる人がいたんだって」と笑う。しかしそう遠くない未来、我々は笑われる側に回るのかもしれない。 「昔は、倍速視聴にいちいち目くじらを立てる人がいたんだって」

『映画を早送りで観る人たち』(Kindle位置:3,105)


なんと著者は、倍速再生に「感情的には」納得出来ないということを明言しつつも、
でもそれは「時代の流れの”あるある”だよね。」と非常に冷静な視点をもっておられました・・・!
レベルがたかい!!


最後の最後で、倍速再生の賛成派の気持ちをめちゃくちゃキレイに代弁してくれ、爽快感が半端じゃなかったです。

本書のタイトルから、
「どうせ、倍速再生をバカにした内容だろ?」
って思っちゃいがちですが、そんなことはなかったんですね。

わたしのように、「倍速再生好きだけど、世間で冷たい目で観られるよね・・・!」って人にこそ、心からほんとーーにおすすめします!!

いや~、久しぶりにグイグイ引き込まれる本に出会えました。
最高です!!
気になる人は手にとってみることを本当におすすめします!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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