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消費されない音楽の墓場

音楽を辞めた。

崇高な理由もなく、ただ音楽をする理由がわかんなくなった。

趣味でDTMをしていた。YouTubeに投稿もした。



始めた理由は、言葉では表せない気持ちを言葉よりもっと複雑なもので表したかったから。


喜びに満ちたような曲が作れなかった。

喜びは一人で勝手に音楽に変えていいものではないからだ。


攻撃的な曲も作れなかった。

怒りを音楽に落とし込むことに抵抗があった。


寂しい曲も作れなかった。

「寂しい」という感情は誰かと共有することで満足へと昇華されるからだ。


楽しい曲を作れなかった。

「楽しい」という感情は楽しいという言葉と笑顔で事足りるからだ。


複雑な気持ちしか音楽にできなかった。


音楽なんてただの空気の振動だ。

音楽なんてただの娯楽だ。


人に褒められることは好きだ。

曲を公開すると知人から褒めてもらって、作ってよかったなと思えた。

人に褒められるだけでは、なにごとの動機にはなり得ない。


また気持ちがいっぱいになったら音楽を作ろうかな。

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