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10年

短かったようで長かった10年。

あっという間に当時17歳だった私は27歳になってしまった。

2011年3月11日。
私は高校2年生。
模試が終わって、体育館で代ゼミかなんかの先生が来て、受験に向けての話を聞くときに地震がきた。

私は東北出身といっても、秋田県出身。
市内の高校でも隣の二つの高校が体育館や実習棟が倒壊しただけで、そんなに被害はなかった。水と電気が止まり、2、3ヶ月以上ガソリンが無くなって両親が自転車通勤していたぐらいだったかもしれない。

そんな私は今でも緊急時地震速報の音を聞くと、体が硬直し、手が震えてしまう。
震災から1ヶ月。鳴り響く緊急地震アラートの音を聞き続けたから。
あの一瞬が10年たった今もフラッシュバックしてくる。

あの頃からHSPだったのだろう。
ラジオから流れる緊迫したアナウンサーの声、電気がつかないことの不安、ケータイに届くデマ、感じ取ってしまった非日常の匂い。
全てを敏感に受け取ってしまったから、左半身が極度に敏感になり、そっと触れるだけで激痛が走った。
そして、突発性難聴になった。


あの日からたくさんの人の日常が変わってしまった。 

そして、あの日のままではなく、新しく変わってきているのだと思う。

10年前の4月。
私はNGOの人と高校の同級生と一緒に宮城県石巻市へボランティアに行った。

あの日、死ぬ恐怖を初めて感じた。

人は儚くて脆い。
そして、尊い生き物なんだと。

「強く生きたい」そう思うのに
「死」がどうしようもなく襲ってくる。

全て受け入れてしまったから、忘れられないのかもしれない。

怖いからこそ、この10年、石巻へいけなかった。
直接受け取ってしまった「死」の感情がまた蘇ってくるのじゃないか。 

どう変わったのか、みていなからこそ、その恐怖が付き纏っているのかもしれない。

だから、今年は石巻へ行く。

1人でもいいから、自分の目で見る。
そして、映像と写真に残したい。

今私ができることは「残すこと

残す手段を身につけたから。 

行けたら、私の中で何かが変われそうな気がする。

石巻へいこう。


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