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人生はセロリと牛肉のあんかけ焼きそばで変わる

それまでは、ソース焼きそば一筋だった。

無駄なことはしないでほしい。焼きそばといえばソース。

むしろ具がなくてもいい。

そんな風に思っていた。

マルちゃんの焼きそばを粉末ソースの味付けだけで食べることが、少し濃い目になって至福の一時だった。


時は経ち、あるとき、中華料理屋さんから親がテイクアウトをしてきた。

牛肉とセロリのあんかけ焼きそば。

おいおいおい。

そんことはしないでおくれ。いらない。絶対こんなもの食べない。

邪道。まってくれ、これが普段食べている焼きそばの何倍の値段もするだと!?

無駄。絶対認めない。

憮然とした表情をしていると親は言った。

「だまされたと思って食べてみな」

その言葉一番嫌いだ。。。。

いや、でもそこまで言うなら、食べて「まずい」と言って二度とこの間違えを起こさせないようにしないといけない。

そう心に決めて、

揚げた焼きそばに、セロリと牛肉の餡をかけた。

匂いは悪くないじゃないか。

よし一口。

・・・・

・・・・・・・・・・・

う・・

う・・・・・・

うまい・・・

ありえないほどうまい。

良く考えれば、

セロリも牛肉も揚げたそばも好きなわけで。

うますぎる・・・・


箸が止まらない、満腹中枢はぶっ壊れて

バクバク。バクバクバク。

一瞬で食べきった。そしてぶっ壊れた満腹中枢を満たすごとく

もう一種類、

普通のタイプの麺のほうも食べた。

いやいやいや。。。。

こっちもうまいってどういうことだ。。。


右手は動き続けた。


自分の先入観、固定概念を恥じた。


幸せな時間はあっという間に過ぎたが、

その後、自分の視野は格段と広がり、挑戦しようという思いも

強くなれたことは事実。


一皿で人生は変わるものである。



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