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夜闇に照らされる めくるめく盆栽の世界

盆栽、と聞いて思いつくもの、何かありますか?
私は全く思いつきませんでした。

おじいちゃんの老後の楽しみ?
意識高い系の人のおしゃれインテリア?
盆栽は日本の文化の一つではありますよね。

作ってみようと思ったこともなければ鑑賞する趣味もない。
でもよく考えたら、祖父が生きていたころには庭にたくさんの盆栽があったことを思い出します。
子どもだけに実がなる盆栽が好きで、姫リンゴの鉢がお気に入りでした。


知人に「盆栽美術館の夜間展示がすごくきれいだったから絶対行った方がいいよ~」と熱烈におすすめされ、縁あって先週末、盆栽美術館の夜間ライトアップに足を延ばしました。

残念ながら先週末までだったのですが、コロナ禍で在宅時間が増えた際に若者の間にも盆栽人気が高まったようで、意外とデートにもおすすめ。
実際に若いお客さんも多かったです。


なかなか見ごたえのある展示で、盆栽の見方や大宮盆栽村の歴史など盆栽のことを知ってから鑑賞すると非常に興味深かった。
実は奥が深いものだと思い知らされました。

中の展示は写真不可のため、外にあるお庭のライトアップされていたものの数点を紹介します。
数十秒ごとにライトアップされる色が変わるため、シャッターチャンスが難しい・・・

単なる鉢植えとは違う、荘厳さや重厚感を感じます。

推定樹齢 150年

やはり花や実がついているものは華やかさがありますね。

こちらで推定樹齢 50年

個人的に今回一番すごいな、と感じたのはこちら。
佇まいが美しく、何だか生命力を感じます。

なんと推定樹齢 800年!

キャプションに入れましたが、実はどれも樹齢が驚くほど長く、こんな鉢に入ったまま(当然植え替えを定期的にし、丹念に世話をされたからこそ今も美しい姿を見せてくれるのですが)何百年も生きている、ということに感動しました。

何より、この小さな世界に大自然を凝縮して再現しようとした日本人の執念を感じます。



よくよくみていくと、中に一部が枯れてそのままになっているものも多く、傷があっても力強く生きていく、そしてそれが自然そのものである、そんなことを感じさせてくれる盆栽たち。

人間はついつい傷を隠そうとしてしまいますが、年月を経るうちにその傷さえその人が生きてきた証、美しさとなり、その人らしさになる。
それが自然のなせる業かもしれません。



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