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姉妹漫画

大学でアルバイトをしている。

大きな大学なので窓口たるものが存在する。

そこでの業務は主に
学内で見つかった落し物の管理や
授業でIT関連の不具合があった時に
教授から電話がかかってきて、
それを担当の部署に繋げる仲介役など。

卒業生が証明書を発行する際の受付もする。

さすがは学内バイト
超ウルトラスーパーホワイトで、
社員さんも涙が出てくるくらい優しい。

どのくらい優しいかと言うと、

10:30からの勤務予定を45分からと勘違いし
堂々とその時間に出勤してきた私に

「このはさん、
 ごめんね電話かけちゃったんだけど
  気にしないでね。なにか突然事故とかが
 あったかと思ってしまって…。」

と遅刻を注意するどころか遅刻している私が
謝られるという謎の事態が発生するほどなのだ。

毎度思うことは、頭から怒鳴られるよりも
こうして心配をしてくださる優しさの方が
ミスを犯した私の良心をえぐり、
次絶対に注意しようという決意につながる。

この総合案内、スペシャルミラクルスーパー
ホワイトかつ働きやすい職場

が、しかし欲深い私にとっては苦痛でしかない。

というのも私は事務作業とマニュアル業務、
正確性が求められるチェックにチェックを重ねる作業が大の苦手なのだ。

入力はミスするし、コンピューターの画面をじーっと見ていると文字がびよーんと動き出して見たくなくなる。

マニュアル通りにやればいいと言われるけれど。
そのマニュアルを読むのも苦手。

かつ、この作業必要? なんでこれやるの?
え、こんなに紙必要?

などと色々突っかかってしまう。

座ってパソコンの入力をするのが退屈で仕方がないのだ。

しかしどんな仕事もその中でいかに遊びや楽しみを見つけられるかが大切であり、それを生み出せるか、楽しめるかは自分次第ということに最近気づいてきた。

遊びや楽しみを外から受けているだけでは
常に求め続けることになる。

自分から生み出せる人になれば外へ外へと
求め続けなくても日常の生活、それ自体が
格好の遊び場になる。

さて私はこの仕事でなにを遊んでいるかと言うと
以前から何となく書き溜めていた
窓口で起こる珍事件や不思議な来訪者の方々の
エピソードを四コマ漫画にしてみたのだ。

私作

ご覧になった皆様の絶句している画が目に浮かぶ。

なにを隠そう、私は絵が圧倒的に下手なのだ。
自分でもこのセンスのなさには苦笑してしまう。

そしてこれを高校生の妹に送ったところこんな風なイラストが返ってきた。

妹作


なんということでしょう。

私のあの絵がこんなふうなかわいい漫画になってしまうとは…。

姉バカなのは承知しているが、私は妹の絵の大ファンだ。

幼い頃から絵を描くのが好きだった妹は最近iPadでイラストを書いており時々私に送ってくれる。

帰省しても
「このはがいるとうるさい」
とすぐに部屋に行ってしまう妹。

性格も真反対すぎて共通点が皆無。
会話という会話を今までちゃんとしてこなかった気がする。

そんな妹と絵を通してコミュニケーションできている気がして最近嬉しい姉なのだ。

こうして私の突拍子もない思いつきから姉妹漫画が出来上がってしまった笑

私は妹の次回作を楽しみに今日もまたネタ集めのためにバイトへ行く。


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