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夜雨の名画座

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鑑賞した映画の記録。旧作多め。
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夜雨の名画座一覧

ご紹介をした映画の一覧を作ってみた。 公開年代(たぶん)順。映画史的なところから何かが見えてくると面白いかな。 2024/08/21 現在 35本 1952/昭和27年 ◯ 次郎長三国志/次郎長売出す … 🎬マキノ雅弘 1953/昭和28年 〇 怪談佐賀屋敷 … 🎬荒井良平 ◯ 次郎長三国志/次郎長初旅 … 🎬マキノ雅弘 1954/昭和29年 ◯ 裏窓 … 🎬アルフレッド・ヒッチコック ◯ 麗しのサブリナ … 🎬ビリー・ワイルダー ◯ ホワイト・クリスマス …

映画『日の名残り』(1993)

こんばんわ、旅をしない旅人の唐崎夜雨です。 今宵は映画のご案内。主人公あるいは主たる登場人物が旅をする映画をご案内する企画の第2弾です。これ、結構な企画ぶっていますが劇中に主要人物が場の「移動」をすることを「旅」と捉えるとするならば、かなり範疇が広いことに気づきました。 第1弾は1970年の映画『ひまわり』で、イタリアの女性がソ連の地を訪れる作品でした。今回は初老の男性によるイギリス国内の自動車の旅です。そればかりか、過ぎ去りし日の思い出に耽ることも時間の、旅かもしれません

映画『ひまわり』(1970)

こんにちわ、旅をしない旅人の唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご案内です。今回は主人公あるいは主たる登場人物が旅をする映画をご案内しようという企画の第一弾です。  ちなみに第二弾があるかどうかは未定です。 旅にもいろいろあります。それは楽しいことばかりではありません。 本日ご案内する映画は 1970年の『ひまわり』〔原題:I Girasoli〕です。 映画『ひまわり』はイタリア・フランス・ソ連・アメリカの合作となっていますが、イタリア出身の監督や主要キャストで、物語の半分以

映画『千利休 本覚坊遺文』(1989)

こんばんわ 唐崎夜雨です。 今宵ご紹介する映画は1989年公開の『千利休 本覚坊遺文』です。 この年の秋は東宝系で熊井啓監督『千利休 本覚坊遺文』が公開され、松竹系で勅使河原宏監督『利休』が公開されました。千利休を記念する年だったのでしょうか、そこのところは不詳です。 この二作品の利休像は、まったく違います。 『利休』が絢爛豪華な桃山文化を背景とした生きる利休とすれば、 『千利休 本覚坊遺文』はわびの世界を背景にした死せる利休でしょうか。 物語は利休没後27年を経て、も

映画『日本のいちばん長い日』(1967)

こんばんは、唐崎夜雨です。 明日は8月15日。いわゆる終戦の日。ということで本日ご紹介する映画は、1967年に公開された『日本のいちばん長い日』。東宝35周年創立記念と銘打った約2時間30分超のオールスター映画。 監督は『独立愚連隊』や『暗黒街の顔役』などの岡本喜八。 脚本は『張込み』や『砂の器』などの橋本忍。 『日本のいちばん長い日』は、昭和20年8月14日正午の御前会議から翌15日の玉音放送が流れるまでの緊迫した24時間をドキュメンタリー風に描いている。あまり知られてい

映画『怪談佐賀屋敷』(1953)

こんばんわ 唐崎夜雨です 日本の夏といえば怪談ですよね そこで今宵紹介する映画は 1953年の『怪談佐賀屋敷』  モノクロの 化け猫映画だニャ〜   あんまり身の毛はよだたないかな あらすじ 〜 ぜひ一龍斎貞水ふうに 佐賀鍋島家では正室にお世継ぎが生まれずにいた そこで殿様は新たに側室を迎えようと 宴席をもうけ城下の娘たちを城内へ招いた 宴席で殿様が見初めた娘は  竜造寺家の当主又一郎の妹であった 竜造寺家はいまは鍋島家の家臣であるが  かつては名のある戦国大名で  

映画『ホワイト・クリスマス』(1954)

こんばんわ、日曜のゆうべは映画のご案内です。 きのう隅田川花火大会が行われました。これから東京も夏本番を迎えることでしょう。にもかかわらず、今宵の映画は『ホワイト・クリスマス』(原題:White Christmas)。 タイトル通りクリスマス・シーズンの映画です。真夏に真冬を語るのも乙かもしれませんね。『ホワイト・クリスマス』は、1954年の愉快なミュージカル映画。カラー作品。 監督は『カサブランカ』のマイケル・カーティス。 主演はビング・クロスビーとダニー・ケイ。 劇中

映画『シカゴ』(2002)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご紹介。 今宵ご紹介する映画は『シカゴ(原題:Chicago)』(2002)です。 殺人事件の法廷がエンタテイメントなミュージカルになる。謹厳実直な人が見たら卒倒するかもしれません。 映画『シカゴ』は、伝説的な振付師ボブ・フォッシー演出・振付による同名ミュージカル舞台の映画化です。映画の監督をつとめたロブ・マーシャルも振付師で映画での振付も担当しています。彼はボブ・フォッシーを尊敬しているとか。 あらすじ 1,920年代のシ

映画『古都』(1980)山口百恵引退記念映画

ようこそ おいでやす 唐崎夜雨です。 先だって京都へまいりましたので 京都が舞台の映画をごあんない。 山口百恵の 引退記念映画『古都』(1980)。 原作は 川端康成 監督は 市川崑。 映画『古都』は 主演の山口百恵が双子姉妹の二役を演じているのが 見どころ のひとつです。 赤ん坊のときに呉服商の家のまえに捨てられた姉の千重子。北山杉の里で暮らす妹の苗子。 祇園祭の宵山で 祇園さんに導かれるように二人は出会う。 自分が捨て子だと知ってはいた千重子。とつぜん現れた双子の

映画『麗しのサブリナ』(1954)

“ 幸福な恋ならスフレが焦げる 恋に破れてるとスイッチを忘れる” A woman happily in love, she burns the soufflé. A woman unhappily in love, she forgets to turn on the oven. こんばんわ、唐崎夜雨です。 『ローマの休日』で一躍スターとなったオードリー・ヘプバーンが次に主演した作品が『麗しのサブリナ』(原題:Sabrina)です。 大富豪の運転手の娘サブリナがパリへ行

映画『薔薇の名前』(1986)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今夜ご紹介する映画は、ジャン・ジャック・アノー監督の『薔薇の名前(英題:The Name of The Rose)』です。 中世の修道院を舞台にしたミステリーで、原作はベストセラーとなったウンベルト・エーコの同名小説。 悪魔がいるような闇が舞台となるミステリーで、「本」が重要なキーワードとなっており好奇心がくすぐられる映画です。 『薔薇の名前』はミステリーですので、ネタバレは控えます。 あらすじ 中世、北イタリアの山岳地帯にある修道院で起こ

映画『雪之丞変化』(1963)女形役者の復讐譚を

こんにちわ、唐崎夜雨です。 日曜の午後は映画のご案内です。今日ご紹介する映画は、♬流す涙がお芝居ならば~の『雪之丞変化』です。 三上於菟吉原作の時代劇小説『雪之丞変化』は、これまで何度か映画化やドラマ化されています。映画では美空ひばりや大川橋蔵、テレビでは美輪明宏や滝沢秀明が主人公の雪之丞を演じています。 主人公が女形の歌舞伎役者だけあって美しい男性が演じてますね。まだ見てはいないのですが、女を演じる男の役を女がしているひばりの映画も興味深い。 数ある雪之丞映画から、今日

映画『裏窓』(1954)

こんちわ、唐崎夜雨です。 今回ご紹介する映画は、アルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画『裏窓』(原題:Rear Window)です。 出演はジェームズ・スチュワート、グレース・ケリー。 『裏窓』は1954年、昭和29年のカラー映画。 我が国の映画で昭和29年といえば、『ゴジラ』や『七人の侍』が公開された年です。また、この年のカンヌ国際映画祭では衣笠貞之助監督の『地獄門』がグランプリを獲得しています。 『裏窓』のポイントは主人公が足を怪我していて車椅子であるというこ

映画『サイコ』(1960)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今宵の映画はアルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ(原題:Psycho)』(1960)です。 『サイコ』はサイコ・ホラー映画の先駆的な作品。『サイコ』以前にもその手の映画はあったのかもしれませんが、その後の影響を考えると『サイコ』には及ばないのではないかと思います。 まだ見たことのない方のためにもネタバレは控えます。 あらすじ アリゾナ州の不動産屋に勤めるマリオン(ジャネット・リー)には、カリフォルニア州に暮らすサム(ジョン・ギャヴィン)と