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お葬式は誰がために

お葬式は、残される人のためにあるのではないだろうか。

エリザベス女王の棺の前に、チャールズ新国王と王家を離れたヘンリーとその奥さんが集う。
エリザベス女王はきっとその光景を見たかったのではないか。

父方のおじさんが亡くなった。
私の家族自体が関わりが薄いので、父とおじさん(実の兄弟)の関係性を評価するつもりは毛頭ない。
ただ事実として、父とおじさんはほとんど連絡を取っておらず、私も会った記憶はない。
そのため、亡くなったことに対するショックはなかった。

そんな、血ではない繋がりでは無関係なおじさんだったけれど、最期に私たちの家族に贈り物をくれたのかなと感じた。

それは家族旅行の機会。

お葬式は私の家族のみで、関西で執り行われた。
その時点で両親と妹は旅行である。
家族以外はいない上に、母も妹もおじさんをほとんど知らないので、神妙な顔をするのは葬儀場と火葬場くらい。
そんなのイベントでしかない。

おじさんは父の実家を継いで住んでいた。
家の片付けをしないといけないということで、温泉街に一泊。
夜はトランプ大会。
翌日、私と妹は物心ついて初めて父の実家の地を踏んだ。

全然知らないおじさんだったけれど、
大人になってから家族旅行の機会をくれて、
父の育った地も見せてくれて、
ありがとうございます。

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