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「タイミング合わないからもどかしくて、会った時に嬉しくて堪らなく好きになる。」

仕事を辞めてすぐに飛び立った北海道。
でも彼に会いたくて、彼と一緒に行きたいところばかりですぐに彼がいる神奈川へ帰った。

会うとすごく幸せで、その時に思ったあぁ、幸せだなという感覚。
彼の温かい手を触っていると感じる愛情。

今思い返してもあんなに私を笑顔にできるのは、幸せに、可愛くできたのは彼だったからだろうと思う。

夜寝る前、明日彼が仕事でいなくなると不安で押し殺される気がして
「明日一緒にいてほしい」
在宅が可能な彼だったから、そう言って不安だからとも伝えた。


だけど彼から返ってきたのは「仕事でやらなきゃダメなことがある上司に相談したいから」との言葉だった。

きっと悪気はない、彼からすると大丈夫だろう、
私からすると助けてほしい時にいちばんそばにいてほしい人はいつもタイミングわるく私のそばにいてくれない。

これだけだった。


これは5回目くらいだった。

会いにきてほしい、しんどい、伝えても現実的に、仕事があるから。

彼と私の価値観の違いは最後までしっかりと出て。

私だったら助けてって言われたらしんどいって言われたらすぐに駆けつける。

でも彼は私を大人だと思っていて、大丈夫だろうと。

もう根本が違いすぎたのかも知れない。

「職場の人から私と一緒に住んでるんじゃないかって言われてさ」

同じ職場を退社した私は、彼とのことを会社には伝えていない。

年齢の差もあったし、19の私にはアラサーの男性と付き合って責任を持てるのか見分けたかったと言うのもあっただろう。


「いないって言ったよ。会社にいられなくなったらね、それは無理でしょう」

彼の価値観からすると、仕事、恋愛どちらも大切だったのかも知れない。

だけど私は、今自分がしたいと思った方を選び取る。

だからその言葉が、私とのお別れを意味しているふうにしか思えなかった。

きっとこの先一緒にいても肩身が狭くて、普通社会人としてという考えが強かった彼の考えを今更変えることはできなかったのだろう。

そして、彼からどこか諦めを感じて私はすぐに姉のいる宮崎への飛行機を調べた。



全く止めようともしない、そのまま仕事を彼はしていた。

今すぐ掴み取りたいほど私のことはもう好きではなかったんだ。

私にはそう思えた。
そうしてすごく悲しく思った。

私は彼とならどこでもどんな状況でも一緒にいられる自信があった。


だから、この状況になって彼がしかたないじゃんと言う言葉で私との関係を終わらせられるこの空気がすごくショックだった。


私がもう出ると言う時に、彼が仕事の電話を切り上げている声が聞こえた。

後ろから抱きつくと、
「もう言っちゃったかと思ったはっきりとできなくてごめんね。」

彼には彼の考えがあって、


温かい手に、体に抱きしめられるとどうしようもなく離れたくなくなった。

もう飛行機は予約している。

あとはタクシーに乗るだけ。


寂しそうな笑顔で送り出す彼に、

電話しちゃだめとか、友人として会いたいとか。

ずるいなって。


飛行機でラインを開いて伝えた。


「私はあなたを愛してたよ。あなたならどんな状況でもどんな立場でも一緒にいられる幸せになる自信があった。」

いつも私たちはタイミングが合わなくて。


その時思い出した、
彼が前にくれたメッセージだった。


「タイミング合わないからもどかしくて、会った時に嬉しくて堪らなく好きになる。」


彼はそう言っていつも互いに違った価値観をも楽しんでくれていたのだと思う。
彼のおかげで私もここまで愛しきって、違いをも尊重できるよう変わろうと努力できたのだと思う。







返ってきてピヨちにあった時、小さい体が寝床から降りてきて
私の方へよってきた。

おかえりって、キスの音を出し、おやすみって言うとすぐに寝床に戻っていった。

当たり前のように受け入れているその様子に、小さい体にすごく安心した。

今日は寝よう。

この3日間くらいは濃かったよ。

不器用なくせに、ハイチューの用紙で小さい鶴を折れるくらい手先は器用で。

それをお守りにまだパソコンのケースに入れている私もいて。




1万円の寿司でも、高いレストランの料理でもなくて
彼と食べる彼の作った焼きうどんがいちばん美味しかった。



愛はいつもすぐそこにあって、
それを受け取れなかったのは私だった。

なかったものばかりを言って目の前にあるものを
感じれなかった。

普通のR

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