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買ったカラムーチョと買わなかったカラムーチョ 〜タンザニアから帰国して〜

前回はタンザニアの食生活を経験したら、日本の食環境は江戸時代の昔からハンパなかったという話をしました。

とうもろこしと水だけの生活に比べれば、江戸の食も十分贅沢。体にも環境にも良い野菜を食べ、粗食を是として生きよう。
種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう

そんな爽やかな気持ちで南伊豆のエコビレッジに赴き、玄米と味噌、野菜だけの生活を始めました。

ラピュタよりゴンドアの谷 当たり前だけど宮崎駿さん絵上手いよね


二ヶ月後、軽トラを爆走させ、セブンイレブンでカラムーチョを爆買いしている自分がいました。


エコビレッジを拒否した生まれついての食環境

結局タンザニアでは、エコビレッジが外界から隔絶されていたし、「せっかくアフリカに来たんだから過酷な生活を体験してみようかね」というレジャー感覚だったため、粗食が苦でなかっただけでした。

歩いていける範囲のところに コンビニもファーストフード店もスーパーもなく、他に選択肢もないからその土地のものを食べるしかない。 

一方日本ではほとんどの地域にコンビニがあるしファミレスもある。ウーバーイーツもある。

日本は欲望は刺激されやすく、選択肢が多すぎる。普段からエシカルでヘルシーな心構えの人は大丈夫だと思う。でも私みたいな凡夫は、いくら口で「エシカル」だの「ヘルシー」だの言っても目の前にカラムーチョが出てくれば食べてしまうのだ。

いや、目の前になくてもガソリン車を30分かっ飛ばして買ってしまった。
ここだけの話、BIGサイズを買いました。

生まれついての食環境を拒否したエコビレッジの食環境

でもこんなこともありました。

先日埼玉の実家に戻ったとき、またもカラムーチョが食べたくなってローソンに行き、手に取った瞬間「なんか食べたくないな〜」と思って棚に戻し、手ぶらで帰宅してしまったのです。

スナック菓子が食べたくなってコンビニに入ったのに、手に取った上で戻すということは生まれてから多分一度もありませんでした。

結局は環境が全て

エコビレッジでは車を走らせてまで買ったカラムーチョ
埼玉では手に取ったにもかかわらず買わなかったカラムーチョ

生まれついての食環境は私を簡単には手放してはくれず、どんなにヘルシーな生活を志向してもカラムーチョが食べたくなってしまうのです。

でも最低一ヶ月は理想の食環境の中で生活すると、ローソンに入っても自然とカラムーチョを手放すことができるようにもなる。

「頭」に「体」を合わせて食環境を変えることは難しい。

でも、環境を変えることで「体」に「頭」を馴染ませていくのは、時間はかかるけど意外と自然に、無理なくできる。

そんなことを学んだのでした!

たぶん梅雨明けにはカラムーチョをはじめとしたいわゆる「体に悪いもの」はあまり食べなくなるでしょう。

でも日本にいる限りふとした瞬間に森田トミさん(カラムーチョのイメージキャラのおばあさん)に甘えたくなるときも来るでしょう。

そのときは汚染された世界を生きる抗体を持ったナウシカの世界の人々のように、我が身に刷り込まれた資本主義の毒と共に生きる諦念の喜びを噛み締めたいと思います。

以上!🌿





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