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#095 4本の「ふでDEまんねん」

 古山さんの絵画教室に参加申し込みをして、なんだかとても嬉しくて、久し振り(十数年振り?)に万年筆を買った。
 セーラー万年筆の「ふでDEまんねん」。
 それを4本。

 思えば、『4本のHEMINGWAY』を古山さんが製作したのが1997年。あの一冊から我々の万年筆の旅が始まった。その旅は終わるどころか、いつまでも続きそうな気配である。
 何かを始めるときは4本でなくてはならない。そのような訳はないが、少々高揚した気分で、「ふでDEまんねん」を購入するとき4本にした。軸の色は白。プラチナカーボンインクの黒を入れるので白軸だとインク汚れが目立ちそうだが、敢えて白色を選んだ。白と黒のコントラストがスッキリしていることと、黒インクで汚れてしまった白軸の「ふでDEまんねん」を想像して、それを美しいと思えたからだ。
 絵を描く際、楽しいことばかりではなく、どう描けばいいのか…とあれこれと考え、エネルギーを使う。その連続で疲れた果てた挙げ句、取り敢えず完成とした作品に満足できないことがしばしばある。それを共に乗り越えてくれるのが「ふでDEまんねん」。万年筆の汚れ、それは苦悩の取り組みの証でもある。
 この4本の「ふでDEまんねん」でどのような作品が生まれるか楽しみだ。そして、今後、私の素人絵画人生にどのような変化が生じるのかも楽しみになってきている。
 4本の「ふでDEまんねん」で新しい旅が始まろうとしている。