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「向こう傷」をつけながら生きてゆく


今日、起業家の齋藤潤一さんの講座を受けた。

↑ TEDにも登壇なさっているが、
私がいちばん刺さったのが、
「FAIL FAST, SUCCEED FASTER」「計画的に早く失敗する」
という箇所。
失敗を恐れて1mmも行動しなければ、何も手に入らない。
そういえば、No pain, no gainということわざを思い出した。

失敗しないと、ものがたりは生まれない

8年前から、児童文学の創作グループに所属しているが、
その中でこの本に出会った。

「辛い経験や大切な人との別れから立ち直るために、自分の人生を物語化することで生かされてゆく。受け入れるには物語が必要」
という内容が書いてあった。

失敗を「思い通りにいかないこと」と大枠でとらえると、
失敗の先に「ものがたり」が紡がれるのだろう。

伊藤羊一さんは、「人は変われる。人が変わろうとする姿に感動する」というようなことをおっしゃっている。

物語の文脈でとらえると、
「思うままにいかないこと」の状態で、バッドエンドで終わらせず
その先の展開を、自分のペンで何とかガリガリ書い継いでゆこうとする意志が大事なんじゃないだろうか。

美学者の中井正一氏は、日本的な美意識は、過去をポンと断ち切って、あたらしいものに生まれ変わろうとすることであると指摘している。

「物語化」としての表現活動

ものがたりを紡ぐ以外に、アートとして表現することも、その昇華の一つなのかもしれない。

苦悩を突き抜けて、歓喜にいたれ

この言葉は、ベートーベンが第九を作曲するときのコンセプトだと耳にしたことがある。
逆境にめげずに、ぐわっっっ!と作り出された表現は、世代を超える。

武勇伝よりも、おもろい失敗談を

失敗を恐れずに、次々にいろんなことを仕掛けていく大人はカッコいい。
武勇伝を語るのもいいけれど、失敗談をおもしろおかしく語れる大人になりたいのかもしれない。

……そうだ
小学生のころに、野球マンガに載っていた、
金田正一投手(歴代一位の通算400勝)の言葉が刺さったことがある。

被本塁打は、三振の向こう傷や

向こう傷は、敵に立ち向かっていった結果、相手の武器によって自分の顔についた傷のこと。
三振を取ろうと、真っ向勝負して、その球の威力を利用してホームランを打たれてしまう場合もある、ということだろう。
小学生のころから、ずっとこの言葉が好きだった。

時に三振をとり、時にホームランを打たれるからこそ、野球ファンは熱狂するのだろう。
うっかりしていたら自分は、出場さえしない選手になってしまうかも。
向こう傷、上等!」の精神で生きてゆきたい。


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