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キャリアを人と比べてはいけない理由

みなさん、こんにちは。フェルマータ合同会社の寺戸です。

タスク管理アプリ「コンダクター」を開発している私たちですが、長期的には働く「環境を変え、誰もが力を発揮できる社会」を目指しています

タスク管理は重要なスキルの一つですが、私たちが生きていく上での一部でしかないことも確かです。

本連載では「一人一人のキャリア」に焦点を当て、変化の大きいVUCA時代の生き方について、みなさんと一緒に考え、トータルなライフスタイルについて情報を提供していけたらと思っています。

第一回目となる今回は「キャリアを人と比べてはいけない理由」について、考えていきます!

はじめに

自分のキャリアと、人のキャリアを比べることはありませんか?SNSが発展した現在、同級生や近しい人が成功を納めている投稿を見ることもあるでしょう。

私自身、普段「就労支援」の仕事をしていますが、やはり自分と周りを比べてしまって落ち込んでしまう方が非常に多い印象です。そして私自身ももちろんのこと!、同じように落ち込むこともあります。

資本主義社会ではあらゆるものが「競争原理」によって動いていると考えがちですが、自身のキャリアを考えた時に本当に人と比べることは、効果的なのでしょうか。

自分の「今」を輪切りにして、他者の「今」と比較しない

周りの人と自分自身を比較することで、自分自身を客観的に知る=「メタ認知」は重要です。ただ、他人と自分を比べることで、自分自身を見失ってしまうこともあります。

心理学者カール・ロジャーズの自己同一性理論によると、人間は現実自己と理想自己の差を感じ、その差を縮めることで自己肯定感を高めることができます。一方で、現実自己と理想自己の差が大きすぎる場合、自己肯定感が下がることにつながります。

自分と同じ歳の人が起業して成功していたり、同じ職場で自分より優秀だと感じる人がいたり、自分と違う生活水準の人を見てひどく落ち込むこともあるでしょう。

デューク大学他のエグゼクティブ教育コースで教鞭をとるドリー・クラークは著書「LongGame」のなかでキャリアを「学ぶ」「創造する」「つながる」「収穫する」の4つに分けています。詳しくは著書を読んでいただきたいのですが、人によってこの4つのフェーズのどの時期にいるかも違えば、各フェーズの長さも違って当然だと考えます。

下図を見てください。

単純にキャリアを比較すると、しんどい。

SNSで同級生が出世していた、起業して成功していると比較してしまうとこのように「自分が下で、他者が上」のような錯覚に陥ります。ですが、実は時間軸を意識できていない短絡的な考えと言えるかもしれません

下図のように、フェーズの違いを意識すると見える世界は変わってきます。

人生のフェーズは人それぞれ、かかる時間も違う。

上の人は、現在「学ぶ」フェーズにいます。一方、下の人は「学ぶ」「創造する」「繋がる」というフェーズを経て、今は「収穫する」フェーズにいるのかもしれません。

人それぞれの時間軸を導入し、自分のキャリアを考えることで、自分よりすごい人と出会った時にも落ち込まずに済みます

インターネット、SNSの発展で色々な選択肢や他者の情報を知りることができるがゆえに、「本当にこれでいいのだろうか」とアイデンティティの確立が非常に難しい社会だとつくづく感じます。

もちろん自分が思うようにはなかなかことは進みませんが、普段の就労支援の中では、長期的な人生の目標を一緒に定め、そこに向かって就労というのはどういう意味を持つのかを考えています。

実は、フェーズが違うだけかも

比較するのであれば、自分と同じフェーズで比較する

もう一つ、フェーズを意識せずに自分と「すごい人」を比べることは大きな機会損失とも言えるかもしれません。

一見成功しているように見える人にも、自分と同じフェーズにいた時があったはずです。もしかしたらその相手は自分の成長に寄与してくれる人かもしれませんよ。

自分と同じフェーズで、何をしていたかは貴重な情報

キャリアを他者と比べないために長期的な目標を持つ

キャリアを他人と比べないためには、自分自身の人生の目標(Long Game)を意識し、その上で自分がどのフェーズにいるかを意識することが重要です。

人それぞれに人生のGOALがある!

自分自身の目標を明確にすることで、そもそも他人と比べる必要がなくなり、自分自身の成長も、冷静に、客観的に見ることができます

例えば、ある人は学校を卒業した後、すぐに有名企業に就職して、スピード感を持ってキャリアを積んでいくかもしれません。一方、別の人は学校を卒業してから、数年間留学したり、ボランティア活動に参加したりして、キャリアを積んでいくかもしれません。最近では「キャリアブレイク」と言って、一時的に仕事をしない選択を選びその先のことを考えていくという考えも出てきました。

どちらが正しいとか、どちらが上であるとかではなく、それぞれの人生に合わせて、違う道を歩んでいくわけです。

比較することで、自分自身をメタ認知できるメリットも

これまで述べてきた長期的な目標とフェーズを意識できるようになった前提で、自分を他者や一般的な市場スキルと比較することで、自分が今どの地点にいるのかという客観的な情報を手に入れることができます。

しかし!

これまで述べてきたように、それはあくまでも「自分自身のゴール」に向けてどの位置にいるかが重要で、「その人のスキルと自分を比べる」ことに意味があるわけではありません。

あとは性格上、競争した方が実力が伸びるという方は比較することに意味はあるのかもしれません。

まとめ

本記事では、「キャリアを人と比べてはいけない理由」について解説しました。他者と比較することには自己肯定感を下げてしまうというデメリットがあります。

人生には「学ぶ」「創造する」「繋がる」「収穫する」といったフェーズに分けることができます。大事なのは人それぞれが自分の人生の中で「GOAL」を見出して、そこに向けたLong Gameを生きていくことです。

その前提の上で、「比較」は適切に用いると、客観的に自分の位置を把握できたり、新たな知識や情報が得られることにつながります。

次回記事では、自分自身のGOALの見つけ方について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考図書
「TheLongGame(ロングゲーム)」ドリー・クラーク
「限りある時間の使い方」オリバー・バークマン





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