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旅行会社とわたし。

"前職は旅行会社で旅行商品の企画を担当してました"

転職活動の時、胸を張ってこの言葉を使ってた。何故かって?

だって、かっこいいじゃん。旅行の企画が仕事だなんて。

旅行のプロとして、誰かの楽しみのために旅行を考える。それを商品にして、売る。

そんな自分が好きで。

そこにはお客さんを安全に帰ってこさせるという責任もある。

事前にお代をいただく分、楽しんでもらえるのか不安もある。

そこは旅行のプロとして、自分の商品に自信を持って出し続けた。

時には厳しい意見を貰うこともあった。

でも楽しかった。

そして徐々に自信をつけた。

そんな中、見えない敵はいきなりやってきた。

その敵はわたしに対して旅行会社の意義と、そこに属する私の存在に大きな疑問を振りかざした。

必ずしも安全でない旅行を提供するのはプロとしてどうなのか。

今この世の中のためにできることはないのではないか。

何もできない旅行会社にいる自分の存在意義はあるのだろうか。

必死に考えた。

だけど答えは出なかった。

だから無理矢理に答えを作った。旅行会社を去ることにした。

それは何故か。

旅行会社にいた自分を誇りに思うために。

自分がやった仕事で笑顔になった人がいたことを否定しないために。

私は旅行元プロだ。その肩書きだけは大事に背負い続けるつもりだ。




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