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Player LEAD SeriesのBefore After

 2020年、Fender LEAD SeriesはPlayer LEAD Seriesとして復刻・再発されました。筆者はPlayer LEAD Seriesの全6色を入手し、様々なモディファイを施し現在に至るわけですが、今回は復刻約1周年記念としてモディファイ前後の比較をしてみたいと思います。


Player LEAD2 Black

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 最も最近のコスプレとなる本機ですが、Moon社のReggae Masterをモチーフとしています。コスプレの内容としてはピックガードアッセンブリー交換が主となります。

【内容】
・べっ甲柄ピックガード
・Lindy Fralin社P90搭載
・FENDER社Pure Vintage '58 Telecaster Knurled Knobs
・ボリュームダウンスイッチ搭載

【雑感】
 外見はかなり気に入っています。ノブはアルミ製で軽く使いやすいのですが、オリジナルのReggae Masterはドーム型のようなので今後交換の可能性ありです。Lindy Fralin社のP90は、音が太すぎることもなくクリアさもありお気に入りです。スイッチは通常はボリュームダウンの状態でセッティングしてますが、この場合は普通のシングルコイルピックアップを少し太くしたくらいの音で、フルボリュームにすると中低域と出力がアップしてソロ向きの音になります。


Player LEAD2 Crimson Red Trans

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 発売開始後、最初に入手した本機ですが、どうやら初期ロットもののようで、細かな差異の存在が判明しました。特にコスプレをしてはいないのですが、ネック交換と配線改造をしております。

【内容】
・Jazzmaster用オールローズウッドネック換装
・フェイズセレクター⇒パラレル/シリーズセレクター

【雑感】
 フロント+リアの直列は思ったより使える音です。ローズウッドネックは手触りがよく、生音の感じが独特で気に入っています。ただ、ヘッドシェイプがサイズ大きめのJazzmasterで、ペグもロトマチックタイプであるからか、抱えた際のバランスが悪くヘッド落ちしやすいのが難点です。


Player LEAD2 Neon Green

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 当初プラスチックパーツの交換のみでお手軽コスプレをゴールとする予定だった本機でしたが、ピックアップ交換と配線改造も追加することになってしまいました。コスプレのモチーフはSteve Vaiモデルとして知られるIbanez社のJEM777です。

【内容】
・DiMarzio社SDS-1搭載
・ピックアップカバー交換、ノブ交換
・フェイズセレクター⇒ハイカット/ローカットトーンセレクター

【雑感】
 外見的にはハードウェアをブラックに換装していないのが若干心残りです。SDS-1のような高出力で中低域が豊かなピックアップと、ローカットトーンの相性の良さには驚きました!ローカットトーンは、いずれ他のピックアップを搭載したLEAD Seriesにも導入したいと思っています。


Player LEAD3 Olympic White

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 比較的初期のコスプレとなる本機ですが、モチーフはCharvel社のJake E Leeモデルです。ハードウェア交換とピックガード及びアッセンブリーの新調という一応気合の入ったコスプレを目指しましたが、モチーフ同様となるマッチングヘッド化には踏み切れませんでした。

【内容】
・ハードウェア⇒ブラックパーツ
・ピックアップ⇒DiMarzio社SDS-1(フロント)、Seymour Duncan社SH-4(JB model)
・ピックガード⇒ブラック1プライ
・コントロール⇒トーン回路撤去、3ウェイレバーセレクター搭載

【雑感】
 Player LEAD Series中では、コスプレレベルは最も高いのではないかと思っています。マッチングヘッドにしていればなおよいのですが……音は中域が強めなハードロック向きの感じですので、ひょっとするとこれにもローカットトーンが合うかもしれません。ただ、ノブもスイッチも増やしたくはないですし、スイッチポットはキャビティーの深さ的に搭載が難しいため、実現はしないでしょう。


Player LEAD3 Purple Metallic

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 こちらも比較的最近のコスプレとなります。モチーフはFender社のRobert Crayモデルです。内容としてはピックガードの新調とアッセンブリーの移植、ブリッジ交換となります。

【内容】
・ピックガード⇒ホワイト3プライ(形状はPlayer LEAD2)
・アッセンブリー⇒Player LEAD2のものを流用
・ブリッジ⇒ブリッジベース/Callaham社製American Standard用Hardtail、サドル/KTS社製PR-14

【雑感】
 ピックアップ等の電装系はPlayer LEAD2のものをそのまま流用しているため、全体的な外観と仕様はモディファイしていないPlayer LEAD2とほぼ同じです。ただ、ブリッジサドルをプレスタイプのチタン製に換装しているためか、各弦の分離感は増した気がします。なお、ブリッジベースを交換しない場合、互換性のあるサドルは限られます。
※2021/7/23追記
ピックアップをThroBak社の FL-II MXV Custom Pickupsに交換しました。
詳細はこちらから!


Player LEAD3 Sienna Sunburst

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 最初のモディファイとなる本機ですが、当初ピックアップ交換のみを行う予定だったのが、後にピックアップとピックガードの形状が合わないことが判明し、結局新調することになりました。

【内容】
・ピックガード⇒ピックアップホール/カバードハムバッカーに対応したものを作成、黒白黒の3プライ、スイッチはピックアップセレクターのみ
・ピックアップ/Fender社製Shawbucker T

【雑感】
 Shawbucker Tは、Wide Range Humbuckerと比較するとややレンジは狭く感じますが、Player LEAD3に搭載されているPlayer Series Alnico 2 Humbucking Pickupと比べるとワイドレンジでダイナミクスもつけやすいように思います。そもそもこのモディファイは、カバードピックアップの外見惹かれて行ったものですので、悔いはありません!

※2021/7/23追記

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Valley Arts社のLarry Carltonモデル化しました。
詳細はこちらから!


感想

 こうしてまとめてみると、1本くらいはノーマルのままにしておいてもという思いが湧かなくもありません。一応全て元に戻せる範囲のモディファイに留めてはいるのですが。万が一新色の追加や仕様変更でもあれば別ですが、一応これで打ち止めとなる予定です。
 ブリッジベースやペグを交換してわかったのですが、オリジナル状態での取り付け・組み込み精度は、あまり高いとはいえませんでした。ハードウェアについてはネジの締め込み具合などを一度確認してもいいかもしれません。


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 一方でネックジョイント部など木部の工作精度は高く、調整次第では「化ける」個体があるかもしれません。


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 電装系についても、ハンダづけや配線材の取りまとめ方などには改善の余地がありそうです。


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 ピックアップキャビティー内導電性塗料の塗りムラについても、塗り直すと違いが出るかもしれません。


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 ナットやフレット周りの仕上げについては値段相応といった感じですので、演奏性改善を目的とした調整の余地はあると思います。

 というわけで、Player LEAD Seriesを所有する、あるいは購入検討中の諸兄におかれましては、まずは信頼できるリペアショップなどでの調整をおすすめいたします。また、モディファイにつきましては、配線改造サドル交換に関して検討の余地はあるように思いますが、くれぐれも自己責任でお願いいたします!
 基本的には軽量かつコンパクトで素直な音のするギターだと思いますので、入手の折にはぜひ末永く愛でていただければ幸甚です!そして、重量の個体差が大きく音の癖がやや強めかもしれない、オリジナルのLEAD Seriesの方も何とぞよろしく、よろしくお願いいたします!

【了】

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