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『太陽の子』観てきました!ここから先は、もうないんだね😭

『天外者』、『ブレイブ群青戦記』に続いて、今月封切りになった映画版の『太陽の子』を観に行って来ました。

ドラマ版も視聴したので、まったく新しい映画としては観られなかったけど…何がどう違っていたのか?ドラマの記憶がおぼろげ過ぎて、情けないけど比較出来なかった私なのです。

世津(有村架純)の家が壊されるシーンから、もう泣いてた。自分の家が目の前で壊されるってどう言う気持ちだったんだろう?女ひとりでお祖父ちゃんを抱えて、この先どうすればと…そんな狂った時代がそこに確かに存在していた。それも、太古の昔ではなく、75年と少し前の話し。

日本が原爆を作っていた話しは、普通に学校の教科書のみの知識しかなければ、新たな情報のように思うに違いないけれど…この映画では、広島と長崎に原爆が落とされ、原爆の製造競争に日本が敗れた事になっている。はて?はて?それは違うんじゃないかい?

実は、アメリカが成功する2ヶ月前に日本は原爆を完成させていたと言う話がある。だからこの映画のストーリーは史実に忠実ではなく、ただのフィクションなのかもしれない。それでも、この事を映画のストーリーとして世に出す事が出来たのは、喜ぶべきだろう。

では、何故日本は原爆を使用しなかったのか?!国史啓蒙家の小名木善行氏によれば、日本は沖縄戦で、アメリカ海軍艦隊の頭上で原爆を爆発させる計画を進めていて沖縄の人々の疎開を開始していたが…妨害等もあり、疎開を完了する事が出来なかった。最終的に、天皇陛下がその計画を却下する判断をしたと言うのだ。しかも、本来ならば内閣が判断すべきところを、その時点で内閣が機能しておらず、天皇陛下の決断に委ねられる事になったと言う背景もあるらしい。そうして、原爆を使わない選択をした日本は、特攻の道へ進んでいく。https://youtu.be/9joxTnFztb8

もう少し早く政治が決断して、戦争を終わらせる事が出来たら、名もなき沢山の人々を不幸のどん底に陥れる事もなかったのに…日本は和平に向けて動いていたと言う話も聞くので、まったくそのような動きがなかった訳ではないと思うけれど、悔やまれてならない。三浦春馬君演ずる裕之も、特攻で戦死するんだよね😭

裕之が苦悩して海に入って行くシーンも本人と重なってしまい…結構、辛かった(T ^ T)映画の宣伝で何回となく流された…「未来のこと話そう」3人が家に戻って話すシーンで春馬君が発した言葉も切なすぎる💦

尊い若い命を、国を守るためと言うよりは愛する家族を守るために捧げた若者たち。愛する人と結ばれて、子を持ち、その後も続いて行くだろう人生を断ち切る権利は誰にもないはずなのだが…人間は、こうした事を何度繰り返しても懲りないどうしようもない存在なのであろうか?!

こうした事を掘り下げて行くと、ここには収まらないので、ここまでにしておきます💦もう、随分書いちゃったけど(笑)

柳楽 優弥演ずる修は、原爆の研究をする科学者の一員。科学者と言っても、学徒動員で招集され大学生。机上の計算は苦手だか、実験第一主義の素晴らしい発想力を持った若者。

そして、修の才能を信じ、1番の理解者である母親を演じたのが田中裕子。昔の母親と言うものは、本当に偉大だったなと思わせる人物。子供に対する愛情も深い。

その一方で、大切な息子裕之(三浦春馬)を、お国のためと自分に言い聞かせて戦場に送り出す。このシーン、母親(田中裕子)が裕之の耳を触るのだけど…愛おしさがすごく伝わって来る。訃報が届き、裕之からの手紙を読むシーンの落胆と深い悲しみはいかばかりか。

終盤、修(柳楽優弥)は悪魔に魅入られたように、原爆が次は京都に落とされると言う情報があり、それならば比叡山に登って、自分はその原爆が爆発する瞬間を自分の目で見たいと言い出す。

家族には、ここに居ては危ないから逃げろと懇願するが、母親はそれを断固として断る。それが、科学者の子供を持った母親のあるべき姿なのだと。

出発当日、玄関先には母親の握ったおにぎりの包みが置かれていて、それを持って山に登る修。裕之が出征して行く時も、同じようにおにぎりの包みを持たせた母親。2人の息子に対する分け隔てのない愛。

誰にも見送られる事なく、比叡山に向けて出発する修。山で観測の準備をし、そのおにぎりを頬張った途端…我に返り、家族の元へと駆け出す。母親の無言の愛が修の目を覚まさせたように感じた。

初めから涙腺崩壊状態だった私だけど…終盤、悪魔に魅入られた状態になってしまった修を観ていて、なんだか興醒めしてしまったのが正直な感想。

それは、修に共感出来ないからか?人間の闇の部分にゾッとしてしまったからなのか?科学には超えては行けない一線が存在していて…その誘惑に負けずに正しい道を選択出来る人がどのくらいの割合で存在するのだろうかと考えると、怖くなったからなのかもしれない。人間の欲望は際限ない。

物語の中心人物を演じた若き俳優3人。どの俳優さんも、素晴らしい演技だったと思う。三浦春馬と言う素晴らしい演技者がここに存在した事を、これからも胸の奥底にとどめて、その先の未来に少しでも長く輝いていて欲しい!それが、これからも生きて行くお2人の力になりますように🙏

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