ボディ・ポジティブと、毛とわたし。
介護脱毛だとか、なんだとか。
老若男女、日本人総ツルツル化現象の間に生きている私には、どうしても話したいことがある。
それは、毛について。
コトの発端は、私が今以上に拗らせていた学生の頃。
まだ、VIO脱毛が主流ではなかった時代に遡る。
「ハナって、お尻の周りに毛、生えてる?」
と、バイト先の友人が神妙な顔付きでわたしに聞いてきた質問から始まった。
そんなことを急に聞かれて、すぐに回答できる女性がどれくらいいるのだろう。
どこからどこまでを指して「お尻の周り」と言っているのかさえも理解不能だったわたしは、友人の質問の意味も意図もわからなかった。
しかし、聞いてくるくらいなのだ。
お猿さんのお尻くらいの毛量を想像したわたしは「そんなところに生えているわけないじゃん」と即答した。
すると、友人が想像以上に思い詰めた様子で呟いた。
「脱毛しようかな」
当時の脱毛は今よりずっと高額で、VIO脱毛に至っては怪しい業界も多く存在した。
わたしの軽率な発言のせいで友人にローンを組ませるわけにはいかないと焦った。
しかし、そんな毛ごときで悩むなんて、一体どういうことなのだろう。
シェーバーで剃れば済む話じゃないか。
事情が理解できなかったわたしは根ホリ葉ホリ、友人に聞いてみることにした。
すると……
モロモロ未経験だった当時のわたしにとっては刺激的な話が友人の口から飛び出した。
なんでも、恋人とイチャイチャしていた際、「お前、○門に毛、生えてんじゃん!!!」と、彼氏にドン引きされたという。
わたしには理解できなかった。
なぜ友人が恋人にそんな場所を見せることになったのか。
日本で生きていると、トイレにはウ○チはおろか、音姫という機械で小の音さえも掻き消す世界線で生きることになる。
オナラでさえ恋人に聞かれたくない、バレたくないタブー行為なはず。
それなのに……?
友人はあんなモノが排出される場所さえも恋人に曝け出しているってこと?
それって、どういう状況でそうなるの?
それともアレか?
恋人が出来ると、もれなくそういう状況になってしまうってことなのか?
一体、彼女は彼氏とナニをしているのだろう……?ゴクリ
キャパオーバーになったわたしは頭をクラクラさせながら家路に着くと、浴室に直行した。
友人が気にしているソノ場所は、自分では目視出来ない未開の地。
そもそもそんな場所の毛のことなど、生まれてこの方気にしたことがない。
そこで、わたしはその場所を触って確認してみることにした。
すると……
生えてますやん。
しっかり、ガッツリ、
生えとりますやん?
その瞬間、ポーカーフェイスで「生えていない」と友人に回答したことを反省する以上に、このままでは彼氏が出来て、そういう関係になった時に困る!!! と焦りまくった。
風呂から上がるなり、ホットペッパーで脱毛サロンの検索を始めたが、そもそも脱毛の際にソノ場所を誰かに見せなくちゃいけないことに気付き、再び絶望する。
いや。でも待って?
もしかしたら、わたしと友人がノーマルなことだってあり得る。
わたしは居ても立ってもいられず肛門周りの毛についての世論調査を始めた。が、なかなか情報は集まらず。
世間的に下半身の毛はどうすべきなのか気になり過ぎて、ありとあらゆるAVのサンプルを開き、○門周りに毛が生えているAV女優さんを探して周る、
という奇行を繰り返すことになった。
そして、わたしは知った。
お尻周りに毛が生えている女優さんなど、どこにも存在していないこと。
そして、丸見えになってしまう体位が存在することを……。
(局部は見せちゃダメだけど、肛門は見せて良い日本のAVって変!と、思うのは、私だけでしょうか???)
そして、見事にツルッツルな他人の(女優さんの)臀部を見まくったわたしは、シェーバーでは剃り切れないその場所の毛についてコンプレックスを抱き始めることになった。
VIO脱毛はわたしにとって、勇気もお金も必要な行為。
一本一本自分で抜く以外に対処法がわからず、そんな状況に愕然とした。
ただでさえもデカいヒップを持ち、尚且つ変なトコロに毛が生えている(と、思い込んでいた)自分の下半身に対するコンプレックスは二郎系ラーメンのごとくマシマシに。
そして迎えた初体験でアノ出来事が勃発したのでした。
(良い子こそ必読♡ ですが、私にとって大切なプライベートが書いてあります。必要としている人だけに読んで頂きたく有料にさせて下さい🙏✨)
https://note.com/feelingoodever/m/m3651e9bbe12e
と、話が長くなりましたが、私はここで言いたい!!!
毛がコンプレックスと思い込んできたことで、私のセックスライフが珍行動の連続になり続けたということを。
コンプレックスのお尻を、毛を、恥部を見られたくなくて、なるべく暗いところでコトを成したいと思っていたこと。
自分の身体が完璧じゃない、汚いと思い込んできたことでセックスを楽しむ余裕も、相手とのコミュニケーションも、自分に対しての尊厳も、全く成り立っていなかったこと。
たくさんのコンプレックスがあった当時のわたしは、自分自身の身体や心に鎧をつけたまま体だけ裸になって「愛されている証拠」のためにセックスしていました。
そして、男性が果てるまでをセックスだと思い込んでおりました。(今振り返ると、あの行為は自傷行為に近かったのかもしれないと思っています)
脱毛が悪いと言いたいわけではありません。
そして、色んな考え方があることも尊重しているつもりです。
でも、私が声を大にして言いたいことは
世の中の女性全員が女優さんみたいにツルツルではない!!!
ってことを、知って欲しいんですん。
そして、そのことで悩み、自分自身の価値を低くしている人に伝えたい。
毛が生えていることは自然なこと。
そして、毛が生えていないことが自然な人も存在する。
どちらであっても全てが正解で不正解なのに、変な優劣やコンプレックスを抱き、自分の身体に対しネガティブなイメージを持つ必要はないと思う。
特に、若い女性の方々に伝えたい。
世間がなんと言おうと、あなたの身体は生まれながらにして完璧なんだよ。
心と体が健康で、あなたが笑顔でいること。
それを失ってまで手に入れたい美しさや完璧や愛なんて、本物じゃない。
もし、そんな大切なことを理解していない人に何か言われたら、ちゃんと教えてあげて欲しい。伝える勇気を持って欲しい。
「わたしの身体は完璧だし、わたしはこの身体で幸せ」って。
あなたの美しさを奪う情報や発言に惑わされないで。
それは、どんなに好きな相手だろうが、なんだろうが同じこと。
国を相手にしてでも守るべきことだとわたしは思う。
それを、どうしても、誰になんと言われても、何がなんでも伝えたい。
私が大切にしたいのは等身大の、日常の延長線上にある、わたしとあなたの物語。
わたしがわたしとして、あなたがあなたとして生きるための話だからです。
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▼小説
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