心配している

私の原動力は、2つあった。

一つは、怒り。
子供の頃から、怒ってばかりいる。
小さな頃は、兄やらクラスメイトやら、身近な人々への怒り。
中高生になってくると、校則や社会の不合理、不平等への怒り。
とにかくプンスカプンスカ。
理解できないことには怒っていた。
なぜなのか知りたいという意欲が湧いた。
知ったことと併せて拙い言葉で怒りを表現し、聞いてもらうと満足した。
大学生になると、怒りの矛先は不甲斐ない自分自身へ向いた。
すると、怒りはもう私のエネルギーではなくなった。
渦を巻いて、吸い込まれていくだけだった。

2つ目は、不安。
中学生、文系か理系か選ぶタイミングが来た。
進路指導の先生による各系統の特徴や進む学部、将来の仕事までの説明を聞いて、迷う前に、こう思った。

これからは、可能性が減っていくばかり。

文系を選んだ途端、もう進む方向が大きく分かれる。
学部を選んだ途端、もう他の何かにはなれない。
何にでもなれるはずの私は終わり?
どのタイミングで何になりたいと思うかなんて、今は分からないよ。
だからできるだけ可能性を広げて、いつまでも、何にでもなれる可能性を持っておきたいのに。

決めてしまうことは、何かになりたいと夢を持った時の気持ちに合うか不安であった。
いつか、私には運命的な使命感でなりたい仕事が見つかるはずだと、本気で信じていた。

あの時本気で選んで、可能性を絞っていたら、違っていただろうか。


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