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豆腐メンタル、の話

メンタルが弱いってどういうこと?

よく日常生活でもスポーツの世界でも、「あいつはメンタルが弱い」「能力は高いのにメンタルが弱いからなぁ」という言い方をされます。少し前なら「気持ちの問題」と言われたりも。当然、望ましくないという意味で使われるのですが、ここでちょっと「メンタルが弱い」人の特徴を挙げてみたいと思います。

・傷つくことに臆病で敏感
・他者からの評価を過剰に気にしてしまう
・すぐに落ち込み、なかなか立ち直れない
・ネガティブ思考で物事を悪く捉えてしまう
・完璧を目指しすぎて自己評価が低い、自信がない

他にもあげればキリがないと思いますが、ざっとこんなところでしょうか。ちなみに私は全部当てはまります(笑)流行りの言い方をすればネガティブモンスターです。だからこそ心理学にハマった、とも言えます。余談はさておき。

メンタルが弱い人に弱いと言ったら解決する?

どうしても成功させなければならない場面でミスをしてしまうことはスポーツでもよくあります。いつもなら楽勝のはずなのに。こんなに簡単なことなのに。そんな時に指導者から「お前はメンタルが弱いからだ!」「気持ちが入ってないからだ!」と叱責される・・・スポーツの指導現場や試合会場などでよく目にする光景です。言われた選手は余計に萎縮してしまうところまでセットで。

先ほどのメンタルが弱い人の特徴を改めて見てみれば、この指導がどれだけ意味がないもの、それどころか逆効果にしかならないというのは誰もがわかるはず。指導者に何を言われるかとビクビクしている状態で、自信がなくて、プレッシャーをビシバシ感じている人にメンタルが弱いと叱責して、「はい!強くなります!」といきなり調子が良くなった・・・なんてことはまず起きませんよね。

あいつはメンタルが弱い、だとしたらそのメンタルが弱い選手にどう関わったらメンタル強化につながるのか、どう声をかけたらプラスの方向に働くのかを考えた方が良いはず。もう少し耳の痛い(かもしれない)話をするなら、選手のメンタルのせいにして片付けてしまいたいという思いがどこかにありはしないか?と自問することも必要になるかもしれません。これはまた改めて自己分析のお話の時に。

豆腐メンタルも見方を変えれば

メンタルが弱いことは悪いこと、のように思われがちですが、これも一面的な見方です。捉え方を変えてみると、意外と悪くない特徴も見えてきます。

・繊細で細かいことにも気付くことができる
・周りの期待に応えようと頑張れる
・自分の問題を受け止められる
・最悪の事態を想定して動ける
・精度の高い仕事をしようとする

先ほどの特徴をポジティブ変換してみました。悪くないでしょう?
こういう捉え方の転換を促すような働きかけは効果的です。まずは、関わる側が「メンタルの弱さ=悪い=ダメな奴」として決めつけ、否定することをやめてみることからです。

何しろ「気にするな」といくら言われても他人に言われることを気にしてしまうのが豆腐メンタル。であれば、そこを逆手にとって自己評価をあげられるような意味づけをしてあげることができるはずです。

豆腐メンタルがいきなりに鋼のメンタルになることは難しいでしょう。でも、絹ごし豆腐から木綿豆腐に、あるいは厚揚げに・・・となっていくことは十分可能。豆腐おいしいし体に良いよな、大豆タンパク質とれるしな、色んな物と相性いいし、となっていったらしめたものですよね。

お前は世界の○○だ!と言われてその気になって

最後はおまけの話ですが。
私自身何しろ豆腐メンタルなので、大事な自分の試合前に「負けたらどうしよう」と悪い方にばかり考えてしまい、勝てるイメージが作れなかった時があります。顧問の先生には「負けるわけにはいかない」「絶対に負けるな」「チームのために必ず勝て」と言われ、それがモロにプレッシャーになっていました。負ければ「お前は気持ちが弱いからダメなんだ!」と怒鳴られ、おまけに勝っても「勝ち方が悪い」「もっと気持ちで闘え」とダメ出し。何クソ!と頑張れる時もありましたが、どうすればいいのか分からなくなることも。

そんな時に、たまたま試合に来てくれた先輩が「なんだ、余裕そうだな。」「勝てる気しかしないだろ?」「お前より練習してる奴は他にいないよ」「お前は世界の○○なんだから」「俺は試合見なくても、お前が勝つってわかるよ」と試合前に言ってくれたことがありました。まるで暗示ですが(笑)この時の試合は、いわゆる「ゾーン」に入った状態でした。いつもより相手が見えるし、動ける。あの感覚は今でもはっきり覚えています。

当時、その先輩のことが大好きだった、というのもあるかもしれませんけどね。






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