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席選び

今、午前10時頃。夏の暑い日の始まりだ。
ある喫茶店で涼をとりながら、モーニングとコーヒーを前にしている。
いつものように、中空に視線を向けながら想念の流れを楽しんでいた。
視線は対象の変化に任せているが、意識は頭の後頭部で働いている。
ふと思った。なぜ、私はこの席がいいのだろう?
そのことに意識を向けた。
私は、昔から視線を遠く向けることができる席に座っていた。
学校でも、後の方の席だった。映画館でも最前列に座ることはない。
やはり後ろだった。
その理由を、長らく漠然と精神的なものだと片付けていた。
しかし、私は、視線をできるだけ遠くまで向けられる場所を求めていた、のかもしれない。
確かに、私は新しい場所にいくと、まずどこに席を取るか考える。
そんな時、私が気にしていたのは、見通しのきくところだった。
なぜだろう。私は視覚人間? 
もちろん、席の前に壁があるような席にすわりたいときもある。
そんな時は、あるテーマに集中したい時、あるいはしなければならない時だ。
私にとって、席選びは視野の広狭と関係しているらしい。



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