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11/22の日記「影響を受けた本、夢水清志郎の事件ノート」

影響を受けた本というと何になるだろうか。

一番覚えている最古の本は、小学校一年生の時に読んだ
「カタツムリの本」であっただろうか。
それを、現在の私も信じられないことに半年ほど毎日毎日朝の読書の時間
飽きもせずに、
というより、それ以外許されていないかのように読み続けた。

半年ほど経ってやっと
「もしかしてここにある本って全部読んでもいいのか?」ということに気づくのである。
それまでは完全に校舎も教室も教科書も、知らない人の物でありあまりとがめられない程度に触っているのだった。

学年が上がるとどんどん本を読むようになった。
とはいっても図書館にはあまりよらず、かいけつゾロリなどの絵本を読んでいた。

分岐となったのは青い鳥文庫の
「機巧館のかぞえ唄」だった。
これは夢水清志郎事件ノートシリーズである。
ちなみに第六巻。

なんで六巻から読むんだ。

当時の自分はなぜかこういった続き物をはじめから読むという習慣がなかったのだ。
こういうのって後からつくもんなんだなあ、と感心したりもする。
これはミステリーである。
しかもこの夢水清志郎シリーズ、館ものや叙述トリック、クローズドサークル、不可能犯罪、怪人、怪奇現象などなど
ミステリーの王道を子供向けに描いている。

ミステリーを読み始めるにあたって、これほどいいものはないと思う。
そして探偵は言う、「事件を解決するだけでは名探偵になれない。みんなが幸せになるようにするのが名探偵なんだよ」と。
ハッピーエンドかそうじゃないエンド(当時はほとんどハッピーエンドの本しか読んだことがなかった)
悲しいエンディングも、そうならざるを得なかったもので、誰かが避けられたりするものではなかった。
その中で事件の真相を知りながらも、それを明らかにせず
嘘の推理を披露することもあったり、怪盗に協力することもある名探偵。

最初に読むにはうってつけの物だったと思う。
私には今中学生と小学生、生まれてすぐの親戚がいる。

今のところお呼びではないが、
「どんな本がおすすめ?」と聞かれた際には
まず「段ボール何箱までなら送っていい?」と聞くだろう。

その中には、必ず私は
「夢水清志郎の事件ノートシリーズ」を入れるんだろう。

赤い夢で遊ぶ子が一人でも増えるように。



そうしてそのあと、すぐに
「赤い夢の迷宮」(勇嶺薫氏の大人向けに書いた本格ミステリー)
を読ませるのだ。

大丈夫、私も中学生のころ読んで人格形成に不可逆な影響を受けることになったがこうしてそれなりに曲がった品性で生きている。

大丈夫。


本当だから。

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