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中野京子「クリムトと黄昏のハプスブルグ 第7章 女性騎手とデザイナー」『オール讀物』2023年6月号

中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第7章 女性騎手とデザイナー」
『オール讀物』2023年6月号
p.191-195
文藝春秋 2023年5月21日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C4M3L77Z

Gustav Klimt (1862.7.14-1918.2.6)
https://ja.wikipedia.org/wiki/グスタフ・クリムト

章題の「女性騎手」は、
「オーストリア=ハンガリー帝国皇帝
(兼ハンガリー国王)フランツ・ヨーゼフ1世
皇后 1837.12.24-1898.9.10」
https://ja.wikipedia.org/wiki/エリーザベト_(オーストリア皇后)

「デザイナー」は
「クリムトの生涯の伴侶」p.193
エミーリエ・フレーゲ
Emilie Floege (1874.8.30-1952.5.26)
https://en.wikipedia.org/wiki/Emilie_Louise_Flöge

「エミーリエは女性の体を締め付けるコルセットなどを排し、
「改革ドレス」なるものを提唱した。
クリムトもデザインを提供し、その服を愛用した。
アトリエで絵を描く時も、エミーリエ一家との毎夏のバカンスでも、
果ては公式のレセプションでもこの姿だった。写真(1910年頃)」
p.193

「改革ドレスはあまり人気が出なかった。…
そこで次第に、改革ドレスの袖に
たくさんのフリルをあしらったり、
生地に斬新な模様をちりばめ、高級感を出すようにした。
その例が
クリムト作『エミーリエ・フレーゲの肖像』
(1902年 ウィーン博物館 油彩 181×83.4cm)
に見て取れる。」
p.194


https://omochi-art.com/wp/emilie-louise-floge/

「スモックの袖は先が細くなり全体にふくらみが出ている。
渦巻き、楕円、正方形、筒状の模様や、
ふんだんに使われる金糸がクリムト絵画そのものだ。」
p.194

「エミーリエは、自分では改革ドレスを着たが
それ以上固執することなく、
客の好みに合わせたドレス作りに
舵を切ることで店を繁盛させ続けた。

クリムトとの結婚は早い段階で諦めている。
彼は「モデルに触れないと描けない」
と公言するような男であり、
モデルの何人かにはすでに子供を複数産ませていた。

結婚にこだわってクリムトを失いたくはなかったし、
経済的に自立していたので頼る必要もない。
エミーリエの強さはクリムトにとって
変わらぬ魅力であり続けた。

結婚という形こそ取らなかったが、
クリムトは公式の場へエミーリエを同伴し、
周囲も彼女に対して妻同様の扱いをした。

クリムトが五十五歳で亡くなった時、
遺産の半分は自分の家族に、
あとの半分はエミーリエに残された。」
p.194-195

https://omochi-art.com/wp/emilie-louise-floge/

中野京子 雑誌掲載記事
http://www.hatirobei.com/ブックガイド/作家から/中野京子/雑誌掲載記事

読書メーター
中野京子の本棚(登録冊数13冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11442729

グスタフ・クリムトの本棚(登録冊数11冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11333645

オール讀物の本棚(登録冊数20冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092057

https://note.com/fe1955/n/n0f28510048f9
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第1章 ハプスブルグ家、延命成功」
『オール讀物』2022年11月号 文藝春秋

https://note.com/fe1955/n/nf81e31d72954
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第2章 ウィーン大改造」
『オール讀物』2022年12月号


https://note.com/fe1955/n/ne1e3bf747335
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第3章 マカルトの時代」
『オール讀物』2023年1月号


https://note.com/fe1955/n/ncf2c76aae317
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第4章 エリザベート美貌最盛期」
『オール讀物』2023年2月号


https://note.com/fe1955/n/n8cc645712bcd
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第5章 クリムト的エロス」
『オール讀物』2023年3・4月合併号


https://note.com/fe1955/n/n4917adc590d6
中野京子
「クリムトと黄昏のハプスブルグ
第6章 カフェ文化」
『オール讀物』2023年5月号


https://note.com/fe1955/n/n353ec2bee132
『芸術新潮』2019年6月号「特集 時を超えるクリムト」
池上英洋(1967- )ヤマザキマリ(1967.4.20- )
「“未完の美 インフィニタ” こそレオナルドの真骨頂!?」
「中野京子が読み解く画家とモデル〈14〉
ギュスターヴ・モローと《ピエタ》」


https://note.com/fe1955/n/nfb0e8238a1ee
「中野京子が読み解く画家とモデル
第4回 ピエロ・デラ・フランチェスカと《ウルビーノ公夫妻の肖像》」『芸術新潮』2018年7月号


https://note.com/fe1955/n/n78119a43aa63
「中野京子が読み解く画家とモデル
 第6回 レンブラントと《バテシバ》」」
『芸術新潮』2018年9月号


https://note.com/fe1955/n/n353ec2bee132
「中野京子が読み解く画家とモデル
 第14回 ギュスターヴ・モローと《ピエタ》」
『芸術新潮』2019年6月号

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