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内田樹(1950.9.30- )『日本習合論』ミシマ社 2020年9月刊 296ページ  内田樹・安田登(1956- )『変調「日本の古典」講義 身体で読む伝統・教養・知性』祥伝社 2017年12月刊

内田樹(1950.9.30- )
『日本習合論』
ミシマ社 2020年9月刊
296ページ
2020年10月28日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4909394400
https://mishimasha.com/books/nihonsyugohron.html

「日本古代、鎌倉仏教からはじまり現代に至るまで、「日本固有の土着的なもの」と「西洋からの外来的なもの」が結びついたとき、日本の創造性がもっとも発揮される――

「習合」を手がかりにして、宗教から民主主義、経済のあり方まで、日本文化の諸相を論じる。 今の日本にもっとも欠けているものを見事に説いた、内田樹の傑作書き下ろし。」

「どうして神仏習合という雑種文化は消えたのか?
共同体、民主主義、農業、宗教、働き方… その問題点と可能性を「習合」的に看破した、傑作書き下ろし。壮大な知の扉を、さあ開こう。
「ミシマ社創業15周年記念企画」

「話を簡単にするのを止めましょう」。
それがこの本を通じて僕が提言したいことです。もちろん、そんなことを言う人はあまり(ぜんぜん)いません。これはすごく「変な話」です。だから、多くの人は「そんな変な話は聴いたことがない」と思うはずです。

でも、それでドアを閉じるのではなく、「話は複雑にするほうが知性の開発に資するところが多い」という僕の命題については、とりあえず真偽の判定をペンディングしていただけないでしょうか。

だって、別に今すぐ正否の結論を出してくれと言っているわけじゃないんですから。

「というような変なことを言っている人がいる」という情報だけを頭の中のデスクトップに転がしておいていただければいいんです。それ自体すでに「話を複雑にする」ことのみごとな実践となるのですから。――あとがきより

内田樹(うちだ・たつる)
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の現代思想』(文春文庫)、『サル化する世界』(文藝春秋)、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書・第6回小林秀雄賞受賞)、『日本辺境論』(新潮新書・2010年新書大賞受賞)、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』(以上、ミシマ社)など多数。第3回伊丹十三賞受賞。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。」

http://blog.tatsuru.com/2020/10/09_1315.html
内田樹の研究室 2020-10-09 13:15 『日本習合論』ちょっと立ち読み
『日本習合論』の販促のために、第一章の一部、共感主義について書いたところを再録しました。ちょっと立ち読みしていってください。

https://www.mishimaga.com/books/nihonsyugohron/002645.html
内田樹先生×朴東燮先生「これからの時代は<習合>で生きる」(1)

https://www.mishimaga.com/books/nihonsyugohron/002646.html
内田樹先生×朴東燮先生「これからの時代は<習合>で生きる」(2)

1950年9月30日東京都大田区生まれな
内田樹さん(神戸女学院大学名誉教授)による、
「宗教から民主主義まで、
日本文化の諸相を論じようという、大風呂敷話」
p.2「まえがき」

第一章 動的な調和と粘ついた共感
第二章 習合というシステム
第三章 神仏分離と神仏習合
第四章 農業と習合
第五章 会社の生命力を取り戻す
第六章 仕事の概念を拡大する
第七章 日本的民主主義の可能性
第八章 習合と純化

https://www.mishimaga.com/books/nihonsyugohron/002645.html
「内田 この間、平川(克美)君と対談したときに「内田、お前若い奴からなんて呼ばれてるか知ってるか」って言われて、「なんて言われてるの?」と言ったら、「学術界のチャラ男って言われてるんだぞ」って(笑)

でも、なんだかわかる気がするんだけどね。若い研究者から評判が悪いのも、「チャラ男」と呼ばれるのも。あっち行ったり、こっち行ったり、ふらふらして、ひとつところに落ち着かない」


https://www.mishimaga.com/books/nihonsyugohron/002646.html
「僕は一年中ずっと働いているわけですよ。朝から晩まで。本を読んで、調べものをして、原稿を書いている。学者としてもよく勉強している方だと思う。でも、これだけ時間をかけても、ひとつとして「頂点を極める」とか「極限まで至った」というものがない。努力はしているんですよ。ぜんぜん怠け者じゃない。でも、その努力の方向がバラバラなので、さっぱり実を結ばない。」


「戦前の日本と戦後の日本をなんとかして架橋しようとする人たち、
吉本隆明や江藤淳や伊丹十三の仕事を「架橋」という視点で
とらえなおすことができるのではないかというアイディアを、

『昭和のエートス』[バジリコ 2008.11]
https://www.amazon.co.jp/dp/4862381189

という書物で提出しました。あまり大きな反響は得られませんでしたが、それでも僕は、戦中派が企てて、そのあとを引き継ぐ人がほとんどいなくなったこの「架橋」というアイディアを次代にまで「パス」して、「かってこういう考え方をした人がいたんだよ」と伝えることを僕の個人的なミッションだと思っています。」
p.230「第七章 日本的民主主義の可能性」


内田樹(1950.9.30- )
安田登(1956- )
『変調「日本の古典」講義 身体で読む伝統・教養・知性』
祥伝社 2017年12月刊
2018年1月8日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4396616333
試し読みで35ページまで読めます。


はじめに
http://blog.tatsuru.com/2017/11/21_1304.php


おわりに
http://watowa.blog.jp/archives/51477441.html


「この二人が読み直すと「古典」はこんなに面白い。
日本文化の奥の底のさらに奥へ! 能、論語、古事記……
あまりに濃厚な対談講義
思想家・内田樹と能楽師・安田登
異才の二人が語り尽くす
●草薙剣と出雲の鬼ライン
●源平の戦いは、海民と山民の戦いだった
●世阿弥が仕組んだ巧妙な仕掛け
●なぜ能は650年も続いているのか?
●知性の発動
●「論語」の六芸の謎に迫る
●教養を深く身体化した日本人

出版社からのコメント
内田樹×安田登の面白さが凝縮された本ができました。内田さんの「はじめに」から、ぜひそのエッセンスをご覧ください。

「安田さんと僕は二人ながら「昔の人の心身のうちに想像的に入り込む」ということの専門家です。そんなことを専門にしてどんな「いいこと」があるんだろうと疑問を抱く人がきっといると思いますが、その疑問はお読みになるうちに氷解すると思います。とりあえず二人とも最初から最後まで上機嫌ですから、「そういうこと」ができると機嫌よく暮らせるということは確かです。」(内田樹「はじめに」より)」


博覧強記な、1950年東京生まれの思想家・武道家と1956年千葉県生まれの下掛宝生流ワキ方能楽師による論語と能楽その他をめぐる対談、289ページ。

奇想天外というかホラ話? というか、とにかく面白い話題の展開に引きづりまわされているうちに読み終わってしまい、再読しなければ内容を思い出せない本でした。

ツイッターで、内田樹さん @levinassien は以前からフォローしてましたけど、安田登さん @eutonie もフォローすることにします。

「内田樹 能の詞章の中には仏典、漢籍から歴史、文学までありとあらゆる文化情報がはめこまれている。だから、能の詞章を暗記した人は一種の「歩く百科事典」になる。どんな歌枕に行っても、「ここではこんな歌が歌われた」とすらすら暗誦できるし、歴史的事件についても人名や事績をすぐ思い出せるし、文学作品のエピソードも知っているし、各地の地域の伝承も、神社仏閣の縁起も知っている。回向するときにはお経が上げられるし、魑魅魍魎が出て来たら破邪顕正の呪文だって唱えられる。能楽二〇〇曲を暗記できていたら、人として生きる上で、ほとんど困ることがない。」
p.225
「第四章 教養を身体化する 教養を深く身体化した日本人」

読書メーター
内田樹の本棚(登録冊数24冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091557

https://note.com/fe1955/n/na4445be3cde9
内田樹(1950.9.30- )
石川康宏(1957.3.28- )
『若者よ、マルクスを読もう
 III アメリカとマルクス 生誕200年に』
かもがわ出版 2018年9月刊
286ページ
鹿島茂 (1949.11.30- )他
『この1冊、ここまで読むか! 深掘り読書のススメ』
祥伝社 2021年2月刊
鹿島茂・内田樹
「『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』」


https://note.com/fe1955/n/n9f3aed8b84bd
内田樹(1950.9.30- )
『そのうちなんとかなるだろう』
マガジンハウス 2019年7月刊
240ページ
『街場の芸術論』
青幻舎 2021年5月刊
282ページ


https://note.com/fe1955/n/nc30d05477afd
内田樹(1950.9.30- )
平川克美(1950.7.19- )
『沈黙する知性』
夜間飛行 2019年11月刊
352ページ

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