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【HSP】誰にも負けない最大の武器

HSPの強さとは何だろうか。

•人の気持ちが分かる優しさ
•繊細な気遣いができる事
•丁寧な仕事ができる

等々、様々な事が挙げられている。

だが、HSPからしたら、そんな事はもう聞き飽きたのではないか?

私は聞き飽きた。

要するに持ち前の繊細さがゆえに、自分より人を優先した言動が多いから、結果としてそれが「優しさ」と捉えられているのだろう。

HSPの最大の武器

HSPにはもっと強い武器がある。


「人が理解しえない感覚や感情を、読み解いて受容する能力」だ。

これは上記で挙げた、「人の気持ちが分かる」能力とは少し違う。

単純に人の気持ちに寄り添うという話でもないような気がする。


極端な例を出す。

•理由も言わずに突然連絡を絶った人間
•職場を飛んでしまった人間(いわゆるブッチ)
•子を愛せない親
•虐待をしてしまった親
•犯罪に手を染めてしまった人間
•クラスメイトをいじめてしまった人間

日々、様々なニュースを見聞きするが、

大半の人間が、これらの人間を非難する。

一目見ただけで、その人間が「やってしまった事」だけを見て、非難する。


もちろん、そこには被害者がいて、その家族がいて、当然ながら罪は罪だ。

私も決してそれらの罪を許していいとは思わない。


罰せられるべき事や、被害者が出てしまった事を前提としてだが、私は真っ先にこう思う。

「なぜ」そんな事をしてしまったのだろう。

「何が」この人にそんな事をさせたのだろう。

「どんな気持ちで」こんな事をしたのだろう。

罪を犯したあの人は、外野から見ている私には到底想像も出来ないような地獄を生きていたのかもしれない。

光の見えない闇から抜け出そうともがいていたら、いつの間にか大切な人の存在すら認識できなくなって、間違った方法で助かろうとしてしまったのかもしれない。

悪者に見えているバイキンマンは、彼なりの正義を持ち、アンパンマンと戦っていたのか?

アンパンマンは、果たして本当に正義のヒーローなのだろうか?

アンパンマンは、それが正義に見えるような方法で、バイキンマンをいじめていたのかも知れない。

分からない。
外野から見学している私には、真実などわかるはずもない。

だが、世間はわかるはずもない真実の事は考えず、ただひたすらに見えている悪を処刑する。

見えない物は、なかった事になるのだ。


私にはそれが無視できない。

それは私がHSP気質を持ち苦しんだ幼少期や、
見える物しか見ない人達との関係に苦しんだ事があるからだ。

私が人に理解してもらえなかったように、私が理解出来ない感情や状況が、この世には絶対に存在する。

私が理解しようとしなかったせいで、苦しんだ人もきっと存在する。



とはいえ、努力したって理解出来ない事の方が多いだろう。

理解出来るか出来ないかが問題ではない。

理解しようとしたかどうかだ。

HSPには、

•自分には理解出来ない価値観や感情を尊重し受け入れる能力

•自分には見えないものや知らないものを想像し、分析する能力

がある。

この能力は、人を救う事すらあるくらい素晴らしい能力だと私は思う。

私を虐めていた子も、虐められていた話

私が中学の時の話をしよう。

私はいわゆるクラスで孤立していた。

当時でさへも「虐められている自覚」はなかったが、今思えば内容からして世で言う「虐め」に該当するのかもしれない。

教室に入るドアを見るだけで、手が震えるようになった頃、

私が虐められているという情報が教師に回った。

虐めの現実が教員にバレたのだ。

私は担任教師から呼び出され、根掘り葉掘り、どんな虐めをいつからされていたのか等々、聞き取り調査をされた。

私はその質問の殆どに答える気にならなかった。


「私を虐めている子もまた、誰かに虐められている」事を知っていたから。

恐らく私の事が嫌いなボスがいて、ボスの前で私を虐めなければ、自分も痛い目を見る、、といった構図だったのだろう。

自分を守るためには、自分の意思に関係なく、誰かを虐める手段を取らされているとしたら、

その子の方が私よりも本格的な「虐め」にあっている。

そう思っていた。

私はその子も、その子を虐めていたであろうボスの事も責める気にはならない。

ボスにもまたいじめっ子と化してしまった何かが存在するのだ。

HSPの最大の武器の活かし方

勿論、だからといって虐めを容認するべきではない。

人の事情ばかり考えて自分を犠牲にし続ける必要もない。

ただ私が言いたいのは、ここまで深い情報処理や、想像力が働くのは、私がHSP気質を持って生まれ、理解されない苦しさを経験してきたからだと思うのだ。

これを活かせればそれはHSPならではの唯一無二の能力になり得る。


何も、カウンセラーや相談員など職業にしてしまわなくても構わないと思う。

家族や親友、身近な人が苦しんでいる時、

特に仕事やプライベートでミスをした時、自己嫌悪や罪悪感に苛まれている時に役に立つのではないだろうか。

上っ面だけの根拠のない肯定や、ただただ振りかざす正論、何の根拠もないアドバイスより、

表からは見えない相手の「事情や感情」を読み解き、そっと横で耳を傾けているのは、誰でも出来ることではない。


私も最近になって、「責めも肯定もせずに、ただ受け入れてくれるのは貴方だけだ。自己嫌悪で潰れそうな時に相談する相手にとても向いている」と、人から言われて、HSPであって良かったかもと思えるきっかけとなった。

これからも、HSPであったからこそ出来る事を少しでも多く見つけていきたい。

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