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多くの介護施設がダサすぎる

こんばんは社会人になって早1か月が経過した藤本です。

タイトルだけ見ると叩かれそうですが最後まで読んでいただけるとその意味がわかると思います。

先に言わせていただきますが、自分は老健に努めるわけですから、もちろん介護業界はとてもイケていて、カッコいい、人間味あふれる素敵な業界だと本気で感じています。

しかし、世間一般的には介護業界はダサいというマイナスな印象があることは間違いないと思いますし、特に自分を含めた若者からは魅力を感じない業界となっています。

そこで今回はなぜ介護業界がマイナスの印象を持たれやすいのか、また現在の介護保険領域の現状をお話しします。

そして明日は、それらの現状を打開するために日本中の介護事業所経営者に提案したいアクションプランをお話しします。


1、介護業界の現状


介護業界の花形といえばやっぱりケアマネージャーや介護福祉士ですよね。

他にも医者や看護師、我々理学療法士のようなリハ職などで構成されています。(僕は掃除のおばちゃんや、警備の方など施設にいる方はすべて組織を構成する重要な人々だと考えています。なんならその近所に暮らす方々も含めたいくらい。)

しかし、介護の主役である介護福祉士や介護士さんは2025年には全国で80万人不足すると考えられています。

さらに介護福祉士の資格を有している者の約半数は介護福祉士として従事していないということが分かっています。

養成校ルートか実務ルートかはわかりませんが、介護福祉士の取得を目標とし勉強や現場での実務を積んだにもかかわらず、その結果を無駄にしています。

もちろん介護福祉士の資格をを取得したからと言って介護福祉士として勤めろとじゃはいません。僕自身いろいろな仕事を積むために転職や副業はすべきだと考えています。

なかには、障害領域や児童領域などに努めている場合もあるでしょう。


加えて理学療法士でいうJPTAの生涯学習制度のような日本介護福祉会の設定してる生涯研修を一切受講していない介護福祉士は半数近くいるとのことです。


さらに、介護業界の課題の一つとして挙げられるのが、男性介護職員の少なさ及び離職率の高さです。

いま日本の介護業界で勤務している介護福祉士のうち約23%しか男性職員はいません。

介護の仕事は体力を使う場面場面が多いです。介助も技術が大切だといいますが、いくら技術があってもパワー的に難しい場合が正直あります(僕がまだまだなだけかもしれません、、、)

また、現在介護の世界では同姓介護が推奨されています。

僕も同姓介助には賛成派です。だって、異性に(特に女性が男性に)入浴やトイレ、更衣の場面で体を見られるのって嫌じゃないですか?普通に恥ずかしいです。

男性の職員が不足すると当然ですが、その分女性職員で対応します。

別に男だ女だと差別をしたいわけではありません。ただ単に異性に体を見られるのが嫌な人もいるから、男女同じくらいの割合が理想かもしれませんねと伝えたいだけです。


そして介護職員は離職率が高いんです。全産業の離職までの平均勤務年数は10年を超えていますが、介護業界に関しては平均5.3年です。

ただでさえ人が足りないにも関わらず、皆辞めちゃうんです。

この辺りは後ほどお話ししますが、やはり給与面での課題も大きそうです。

特に男性の場合、将来結婚して家族を養っていくと考えると、現在の介護の仕事では不安があるのでしょう。あって当然です。(これも別に男が家庭を養っていくものだという意味合いではありませんよ、僕は家事大好きですし、育休取りたいくらいですから。)

また、介護業界の人手不足は離職が多いだけではなく、新しく入職する新卒の若者が少ないという課題もあります。

自分の大学では今まで300人以上の理学療法士を育成し、社会に排出しています。

しかし、僕の知る限りでは介護保険領域に就職した人は合計10人もいないです。つまり3%にも満たないということです。(同期に関しては自分ともう一人だけ)

若者が入ってこない業界の未来は暗いかもしれません。


今回のnoteでは自分が思う介護業界に対してこれをやれたらいいよね!ということを書きます。もちろん現実的に難しいこともあるでしょう。お金の問題、制度の問題。自分の知識不足による無理なことの提案。

あくまで、僕の夢や理想の話だと思ってください。


2、介護業界が人手不足に陥る理由


さてここまで、介護業界の現状や課題をお話ししましたが、ここからはそれらの理由。つまり「介護業界が人手不足に陥る理由」についてお話します。

自分が介護業界が人手不足に陥る理由は主に以下の6つだと考えます。

①3K(キツイ、汚い、キツイ)

②環境がダサい

③制度的プレッシャー

④無駄な文化

⑤優秀な人ほど苦しい現場

⑥給料面の課題


それでは、6つを細かく見ていきましょう。


①3K

皆さんこの言葉聞いたことあるかもしれませんね。昔から言われている介護の3K(キツイ、汚い、危険)です。

これに「暗い」と「臭い」をいれて5Kと読んだり、最近では結婚できない、帰れない、規則が厳しいなど色々混じって7Kなんて言ったりもします。

現在の介護の仕事は肉体的労働を伴うのでキツイですし、汚染物を交換したりもします。

また、感染症や易怒性のある利用者に暴力を振るわれたりと危険な面も決して否定しません。

当たり前ですけど、このようにストレス因子があるのは事実です。


②環境がダサい

施設の内装とか居室とかWebページとかダサくないですか?

建物自体はいじるのに巨額の金額がかかるので難易度がかなり高いと思いますが、Webページとか食器などのアップデートは比較的取り組み安いと思います。

あと、紙媒体の資料管理が多い印象的です。ICT化が遅れてしまっています

技術が目まぐるしく進歩して、なんでもICT化してきてる時代に紙での記録管理。

とても効率が悪い印象です。

もちろん、PCやタブレットはお値段も安いものではありません。

現状として揃えるだけのお金を持っている施設が少ないことも理解しています。

ただ、足を踏み入れるべき価値は十分にある世界だと思います。

今の時代ICT化をしないのは、情報技術に対する逃げとしか捉えられません。


また、居室のカーテンや床頭台、デイルームのテーブルや椅子、食器やエプロンなんかももっとイケてるやつにしましょう。

いかにも施設感が強すぎます。

食器は落として割れたら困るから、という理由で避けているのかもしれません。

割れない素材でも、もう少しマシなやつもありますし、僕は別に割ったら割ったでいいと思います。

または、割れ物でも大丈夫な人かどうか評価してみるのもいいかもしれません。

自分の家族が、自分自身が住みたい、食べたいと思えるような空間や食事にできたらいいですね。

介護施設は暮らしの空間です。なるべく普通に近づけましょう!


特に若い世代というのはいつの時代もカッコいい、イケてる、おしゃれだと思うものに憧れを抱きます。

もしPCが全部Macで職員が一人一台iPadやiPhoneを支給されてそれで記録管理を行い、カッコいいユニフォームを着て仕事をし、デスクや椅子が全部無印良品なら、それだけで就職したい気持ちは増しませんか?

なんも富裕層向けのサ高住みたいにホテルのような内装にしろとは言いません。

新しいものを取り入れられると素敵だなと思います。


③制度的プレッシャー

医療の現場も介護の現場も同じですが我々理学療法士を含めた医療福祉職は制度というフレームの中で働いています。

制度に対して関心の低い医療福祉職はもったいないと思っています。制度を知らないことによるメリットは何もありません。

むしろ制度を無視して訴えられたり、自分が損をするというようなデメリットしかありません。

概要だけでもいいので自分に関係するところは勉強しましょう。

介護業界では施設全体としてこれだけのサービスを提供しないといけない。というものがあります。

例えば、長期入所者に対して入浴または清拭を適切に週に2回以上しないといけない。や短期集中リハビリテーション加算を取っている利用者さんには一回20分以上の個別リハビリを週3回以上提供しないといけない。などのようななものがあります。

当然ですが、これは施設としてクリアして当然です。

しかしながら、人手が不足している介護業界ではこれらをこなすだけで手一杯になります。

するとどうでしょう

いつもギリギリで運営している施設では利用者さんが気持ちよく清潔を保ちリラックスするめの入浴が、職員が効率を重視しスピード優先の作業になります。

もし入浴の拒否傾向が強い利用者さんがいたら、「週に2回お風呂に入れないと、後々そのことでクレームを入れられたら困る」という制度的なプレッシャーにより、利用者の気持ちはそっちのけで、力づくでお風呂に連れて行ったりします。

つまり、制度というプレッシャーがあると、利用者さん主体のホスピタリティ溢れるケアが、効率やスピード重視の機械的な支援になってしまいます。

こうなってしまっては職員も利用者さんもストレスを感じイライラしてしまいます。そう離職に繋がりますね。

利用者は当然ですが、職員のケアも大切です。


④無駄な文化

これは②環境的がダサいと少し重なりますが、特に若者目線での意見です。

前述したとおり介護業界では人手不足が常にあり、毎日忙しく手一杯です。

そんな時に新人の職員が入ってきたとしましょう。そう4月にでも。

4月は年度替わりでただでさえ忙しいのに、新人の教育に迫られます。

先輩が忙しいと当然ですが新人を教育している余裕なんてありません。

すると、教える暇ないからとりあえず後ろで見て覚えてとなります。新人は初めは違和感を感じず先輩について色々とみて学ぼうとしますが、見て学べるのは一日のスケジュールや道具の使い方くらいです。

介助量なんかは触れてみないとわかりませんよね。

そんな中ある日から今日から一人で行動ねと告げられます。人手が不足しているので新人にも活躍してもらいたいのは当然ですよね。

ところがどうでしょうか。

見学してただけの新人がいきなり出来るわけもありません。そして先輩に使えないヤツだとレッテルを張られます。

これは技術の面に限ったことではありません。新人は当間ですが社会人としても新人です。

社会人の在り方やマナーなんて知りません。教えてもらってないから当然です。

それなのに先輩は仕事も出来ないうえに、社会人としてのマナーもなってないヤツだと言われます。

不条理ですね。

新卒一発目でこの洗礼を浴びたら、当然仕事は嫌になり離職を考えます。


⑤優秀な人ほど苦しい現場

介護業界は利用者さんとの関りが最も大切だと僕は考えます。利用者さんの生活を少しでも良くしたいと思い

ゆっくりと話す利用者さんの声に耳を傾け、入浴が嫌という利用者さんがなぜ嫌なのかを会話の中からゆっくりと引き出す。眠れない利用者さんと眠くなるまで一緒に過ごす。転倒したという事故があれば、なぜそうなったのかを真剣に考える。

など、利用者さんに向き合おうとする職員ほど利用者さんとの関りに時間を費やします。

しかし、そう考えない効率重視のスピード介護職員はこのようなやり方には納得できません。

むしろ話してる暇があるなら他の人の入浴や整容の介助をしてほしいと思ているはずです。

すると仕事に対するベクトルが異なり、徐々に職場にいずらくなります。

そして離職します。優秀な人ほど。

優秀な職員がいなくなることで人手不足が深刻になり、話を聞いてくれる職員もいなくなるという。職員としても利用者さんとしてもマイナスな状態になります。


⑥給与面の課題

そしてやっぱり社会人の多くが最も求めるのは給料ですよね。

ぶっちゃけ介護士の平均月収が50万円!ってなったら、間違いなくみんなこの仕事やりますよね。

だから究極の話お金で全て解決出来ちゃいます。

介護士の給料は業務内容の割には決して高くはありません。世の中の人は口を揃えて賃金の向上を訴えますし、給料上げれば介護の人手不足はできると皆さん思っていませんか?

実はこれには難しい理由があるんです。

理由は介護保険制度の改定が3年に一度あるからです。

つまりどういうことなのか?

当然ですが介護業界の職員の給料は施設の売り上げ金から支払われます。

そして、その施設の売り上げ金とは利用者さんにサービスを提供することで得られます。

しかし、介護保険制度が3年に一度改定され、その度に支払われる介護報酬が増減します。

ちなみに第一回と第二回の改定では介護報酬は減少しました。

その後の第3回と第4回は増加したものの、第五回で再び減少しました。

そして現在の介護保険制度改定時にはわずかに増加したという状況です。

このように介護報酬は改定のたびに増減を繰り返し、先行きが見えないという状態にあります。

介護報酬が減るというのはお同じサービスを提供していても支払われる金額は減るということですにで、経営者としてはただのマイナスです。

介護報酬が常に増加し続けるのであればその分職員の給与を増やしてもいいですが、介護報酬減少により一度増やした賃金を再度下げるとなると、職員からの不安の声が上がることは間違いありませんね。

経済的な不安が募れば離職に拍車がかかります。


3、最後に復讐です


さて、ここまで5,000字以上かけて、介護業界の現状とその理由をお話ししますた。

【介護業界の現状】

①人手不足が深刻。2025年には80万人が不足するとされている

②男性職員が1/4しかいない。身体的な面でも同姓介助の面からも男性職員が不足しているのは課題である

③離職率が高い。離職までの勤務年数平均が全産業平均の半分程度である。

④若者の入職が少ない。

【人手不足の理由】

①3K(キツイ、汚い、危険)。ストレスの多い仕事が嫌がられるのは当然。

②環境がダサい。施設の内装や家具、PCやWebページはもっと工夫しましょう。

③制度的プレッシャー:制度上のルールをこなさなければならず、ホスピタリティ溢れるケアが効率重視スピード大好きな機械的作業になってしまう。

④無駄な文化。新人教育が疎かになり、新人がバッシングされるような文化は必要ありません。初めてのことはだれにもわかりません。

⑤優秀な人ほど苦しい現場であり、利用者との時間を大切にすればするほど組織としてのベクトルがずれることもある。

⑥給料面での課題があり、賃金向上には介護保険領域特有の介報酬改定による収入の増減という課題がある。

です。

他にも介護業界には課題とされる現状や人手不足の理由はありますが、上げていくとキリがないありませんので今回はここまでにします。

長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。

明日作成予定の記事では、現状の介護保険料域に向けて提案したいアクションプランをお話しします!

それでは次の投稿で!

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