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責任感を追い求め|羽根洸至

プロフィール

羽根洸至 #76
経済学部2年
栃木県立宇都宮高等学校出身

部活と学業どちらにも手を抜かない長身CB。そんな性格の反映された丁寧なプレーが売りで、今季からAチームに定着した。

リーグ開幕戦でスタメンを勝ち取った彼に、日頃の活動での想いを語ってもらった。

 一橋大学ア式蹴球部2年の羽根 洸至です。

 テスト・課題・レポートに加えピッチ内外の活動に忙殺されていると自分に思い込ませたせいか、執筆依頼からすでに1か月が経過しております。3週間で謝罪していた周さんが可愛く見えます。
「原ちゃんごめん。一日で文章は書き終えました。一日って長いものですね。」

 今回は入部以来、初めての執筆となりますが現在ぼんやりと頭の中に浮かんでいることを言語化しています。曖昧な話ですが、共感してもらえれば幸いです。

責任を取るとは

「責任感を持ちなさい」
「自分でやったことの責任を取りなさい」
「君は無責任だ」
 こんな叱責を受けた経験は誰でもあるのではないのだろうか。自分自身も、人格形成にとって重要な小・中学生のときによく言われた。「あの宿題を明日までには出します!」と声高に先生に宣言しておいて、次の日に提出できないはおろか、黙っていれば何とかなると信じ込んで、結局僕の無責任さを先生に咎められた日も懐かしい。
 当時は若気の至りからか、そうした金言に対して聞く耳など持たない・聞き流す態度が関の山だったが、今の自分を形作る上では貴重な経験であった。

 果てここで「責任を取る」を取ることがどういうことだろうか。上に挙げたような例のように、これは十中八九「他者との一種の契約の履行」という文脈で使われ、物事の結果に伴って生じた責務を引き受けることを意味する。しかし、最近新たな意味合いについて考えさせられているので、それについて経緯を含めて説明したい。

新たな「責任を取る」ということ

 「責任を取る」ということは、2種類ある。一つは物事の後の行為。もう一つは物事の前の行為。前者は上で述べてきたし、多くの方が想定しているもの。では、後者は?

 これは、集団の中で他人を巻き込む決断を行う際に発生する。例えば、不測の事態で自分たちがどう行動するかを決めること。ピッチ内外で次々と発生する問題についてどう対処するか決断すること。乏しい表現力が足枷となりこれくらいしか表現できない。でも、きっと読者の皆さんもこれまでの経験を振り返ってくれれば分かってくれると思う。

 こうした「責任の取り方」は、僕自身は大学生になった今だからこそ考えてさせられている。これまでは教師や指導者、保護者などの拠るべき存在が最終的には決断してくれていた。こうして誰かが担ってくれるのに慣れてしまっていたからこそ、いざ自分がやるとなるとうまく出来ない。

 自分の決断に多くの人を巻き込めば巻き込むほど、その分だけ責任は大きくなる。全員にとって最適な答えにたどり着けるかなんて分からない。後ろ指をさされることもあるだろう。でも、やるしかない。人それぞれ境遇や状況は異なっても、きっとこうした「責任の取り方」に直面することだろう。

 備忘録的にそして自戒の意味も込めて、この問題に対する暫定的な答えを記しておく。
①    自らの損得の前に、全体の利害を考えること
 自分の利害を考えれば考えるほど、責任を取ることから足が遠く。これは、自分の感情に従った当然のことだろう。だって好き好んで矢面に立とうとする人なんていないよね。そこで「もし自分がそうしなかったら、全体に与えられる影響は?」そう思い込めば、自然と出る杭になる決意もできるであろう。
②    伝え方を工夫する
 感情的・攻撃的になればなるほど、論点があらぬ方向に行ってしまう。(もちろん、感情的になるべきときもある。)相手に対して耳の痛い話をするにしても、議論は属人的ではなく属事的であるべきだ。

 以上いろいろと述べてきましたが、自分自身を顧みるに有口無行もいいところです。ただ、指針として公にしてみました。この問題に関しては、ア式での4年間とか大学生とかに限った話ではなく、今後もずっと付き合っていかねばならぬものだと思います。(何なら、年を重ねるごとに真剣に向き合わなければならないでしょう。)

最後に

 部を代表して文章を公にする身である責任も踏まえ、最後に部を関係する皆さまに感謝を申し上げたいと思います。特に自分は入部以来リーグ戦を含むすべての試合が無観客での開催という形が続いてきましたが、7月31日(日)に行われる東京大学さんとの試合が有観客になったことを受け、OB・OG・保護者の方々が多数来場して下さることから、皆様の支援・関心の高さに改めて気づかされました。本当にありがとうございました。自分なりに「責任を取る」ということを模索しながら、頑張っていきますので今後ともよろしくお願いします。

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