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衝動と葛藤、その先にあるもの


こんにちは、新2年社会学部の下兼怜晟です。石川県金沢市出身、申年、AB型。新歓ブログを書くにあたって、新入生の皆さんがア式蹴球部の魅力を知ってくれること、そして、自分自身が執筆を通して、一年間のア式生活を十分に振り返ることができたら嬉しいなと思っています。まずは、僕がア式に入部した経緯から話そうかな。
 
ア式を選んだ理由
 
僕は小学2年生の時にサッカーを始めて、中高もサッカー部に所属し、大学でもサッカーを続けたいという思いが受験勉強に励む数少ないモチベーションだった。しかし、いざ大学生になってみると、その気持ちが少し揺らいだ。それは、大学は自分が思っていたよりずっと広い世界だということを知ってしまったからである。3月末からほぼ毎日のように、あらゆる団体の新歓に参加する内に(まあ新歓飯目当てなのは言うまでもないが)、せっかく様々な選択肢が用意されている大学においても、サッカーを選んでしまう姿勢は、消極的で愚かなではないのだろうか、と考えてしまうようになった(新歓期での最大の悩みであった)。
 
そんななか、僕はボート部に興味を持つようになった。ボート部との出会いは、一橋受験前日に国立駅でボート部のお姉さん2人組に声を掛けられ、受験会場の下見を手伝って貰った後にLINEを交換したことであり(当時はこれが新歓の一環だったことはつゆ知らず、馬鹿に喜んだ)、合格後にその先輩に新歓に誘われたことである。僕はそこで大学の体育会が如何なるものか知った。練習環境、設備、歴史、スタッフの数、予算、いずれをとっても中高の部活動とは比べ物にならないことを知った(これは後にも話すが、ア式蹴球部においても全く同様である)。それからというもの、ボート部の財力で焼き肉を食べたり、部員が生活する寮を見学したり、試乗会に参加したり、東商レガッタ(年に一度の東大・一橋対校競漕大会)で一橋が劇的勝利を収めて大歓喜したりするうちに、僕のボート部入部は確かなものになろうとしていた。
 
こんな状況で、自分にサッカーを選ばせたもの、それは積年の悔しさであった。10年余りのサッカー人生を振り返ると、当然楽しかった瞬間も多くあったが、一番強く湧き上がってくる感情は悔しさである。中学時代にあと一歩のところで北信越大会を逃したこと、高校時代になかなか出場機会に恵まれなかったこと、友人の紹介で参加したサッカースクールで、小学生たちのボールコントロールスキルに圧倒されて肩身の狭い思いをしたこと、何よりも自分がこのサッカー人生に100パーセントの納得がいってないこと、これが自分に大学で何か新しいことを始めることをどうしても許さなかった。そして、ア式の入部締め切り日間近となった4月末の某日、国立のサイゼリヤでこの日も悩んでいたのだが、ついに意を決めて、懇意にしてくれたボート部の先輩(先述のお姉さんではなく、漕手の方)に長文のメッセージでア式に入部する旨を伝えた。引き留められるかと思ったが、快諾してくれて、僕のことを大いに激励してくれた。あの時は涙を流す三歩手前くらいの感情になった、この感謝は忘れまい。これが僕ア式に入部した理由というか、経緯である。
 
ア式で学んだこと
 
ア式に入部して最初に感じたことは、同期や先輩のサッカーに注ぐ熱量の凄まじさである。特に、同期の話をすると、サッカー以外のことも忙しいだろうに毎日練習メニューを考えてくれて、練習中も熱心に指示だしをしているスタッフの翔太には驚くばかりだ(ちなみに彼は、ガンバ大阪のファンであり毎週Jリーグの試合結果に一喜一憂している)。ほかにも、プレイヤー、マネージャー、コーチ、スタッフ、部員全員がサッカーに対して、何かしらの特別な想いを持っていて、サッカーが大好きだ。熱い集団である。このア式の輪を信じ切ってあと4年間全力でサッカーに励むことが、過去の未練と決別する一助になること、それから、なにより、自分の大学生活を豊かにすることに繋がるはずだという直感が、自分がア式に入部したもっとポジティブな理由でもある。
 
ア式では毎日が勉強だ。大学では戦術についてもっと考えるようになった、というか、嫌でも考えなければならなくなった、というのが個人的に中高時代との一番の違いである。ビルドアップのやりかたとか、連動した守備の動きとか、そういったことを体系的に叩き込まれている。要領は良いほうではないから、練習メニューを理解するのに時間はかかるし、先輩から叱責を受けることも少なくないけど、それでも毎日新しいことを覚えていくことが、本当に楽しい。Veoで撮影される練習映像を観ることがすっかり日課になった。サッカーノートを小学生ぶりに再開した。同期の影響を受けて筋トレにハマった。ゲームのハイライトだけじゃ満足できないようになった。今、最も充実したサッカーライフを送っているように思える。愉快な仲間たちと、豊かな設備と、全面人工芝の一橋専用ホームグラウンドでね。
 
最後に
 
このブログを読んでくれている新入生で、大学でもサッカーを選ぶのに躊躇している人も少なくないと思うが、ぜひア式の世界に飛び込んできてほしいと思う。きっと新しい世界が待っているから。拙い文章でしたが、読んでくれてありがとうございました。

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