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美ら星研究体験隊で小惑星を探した話

速報

美ら星研究体験隊2024の詳細が発表&募集が開始されました!申し込み締め切りは6月28日です!恋する小惑星最終回の日です!


はじめに

本記事は『恋する小惑星』アニメ10話〜原作4巻第1話のネタバレを含みます。
また、美ら星研究体験隊自体のネタバレを避けるため、内容を絞って記述しています。ご了承ください。

美ら星研究体験隊。
対象者は全国の高校生、提出課題で20名程度を選抜。
狭き門d……あんまり狭くないな……

2023年の美ら研に参加し小惑星を探してきたので、ここに体験を記していきたいと思います。
聖地巡礼などの情報はぜひ以下の記事をご覧ください。

また、2021年回(2022年3月開催)についてはたけらぎ氏の記事をご覧ください。

前置き

こんにちは!皆さん、美ら星研究体験隊(美ら研)をご存知でしょうか。
美ら星研究体験隊とは、石垣島の2つの観測所で行われる新天体発見実習活動です。
今回このイベントで小惑星を探索してきましたので、その体験を記していきます。

この体験記は参加後半年以上経ってから書き始めたものであるため、ある程度不正確な情報が含まれている可能性があります。多くの方に協力いただくとともに十分に注意して執筆していますが、この点ご了承ください。

出発前

参加の経緯

美ら研には2022年に初参加。小惑星探索を希望するも、落雷によって観測所が故障。残念ながら希望は叶えられませんでした。
昨年の無念を晴らすため、そして恋アスのイベントに参加するため、2023年も参加することに決めました。

美ら研vs受験

当時の私は大学受験生でした!
夏休みは受験生にとって非常に重要な期間。美ら研に参加すれば、前後泊や準備などを含めて1週間以上の時間が消え去ります。でも私は参加を選びました。受験は来年もできるけど美ら研と青春は一度きりですからね。
出発前日まで駿台の講習入っててなかなかやばかったです。

出発〜前泊〜開講前

空路で石垣へ

来 ち ゃ っ た(1年ぶり2度目)
東京石垣間は成田からPeach(1日2本のうちの早い便)に乗りました。羽田で聖地巡礼したかったですが流石に高いので……(なにせ超繁忙期の開催ですから。)

恋アスイベント!!!!

http://koiastv.com/news.html?id=n085

かわいい
欲しい

早い便に乗せていただいた(早い便の方が高い)のも全てはこのため!この先二度とないかもしれない恋アスのトークショーに参加しました。高柳さんから木ノ幡みらさんの声が出てきた時の感動は忘れられないですね。本当に来て良かったです。
TLの面々とエンカできなかったのは少し心残り。勇気が欲しい……
イベントの様子、内容は以下のkn1cht氏の記事が参考になります。神。

いしがき島 星ノ海プラネタリウム にて

離島ターミナルにあるプラネタリウムにもポスターが!

前泊

実家のような安心感

聖地・民宿八重山荘に宿泊しました。(1年ぶり3度目)
事前にTwitterで知り合っていた美ら研参加勢+1名と一緒に恋アス鑑賞会などをしました。楽しかった。

開講前

1日目は午後に集合・開講なので、午前は竹富島へ。南国の景色のコントラストの高さに圧倒されます。
その後は石垣に戻り、何人か加わって10人くらいで沖縄県立青少年の家へ。半数がすでに知り合いという異常状況の中、ついに美ら星研究体験隊開始です!

1日目

開講式

開講式の様子:

http://kyodoshi.com/article/16627

まずは大きな教室(大研修室)で開校式が行われました。今年の受講生は23人でした。(定員の20人より3人多かったです。ちなみに去年は定員20人に対して22人が採択、21人が参加しました。)美ら研の概要やVERA、電波天文学などの簡単な講義があり、VERA班(水メーザー天体捜索)とむりかぶし班(小惑星探索)の班分けが行われました。むりかぶし班の定員は9人。なんとか希望者数が定員ちょうどに収まりました。定員オーバーしたら土下座してでもむりかぶしに行く覚悟でしたが、その必要はなかったようです。

©Quro・芳文社/星咲高校地学部
廣瀬さん(=国立天文台水沢の廣田先生、美ら研主催)
現実では見学前にやります

VERA石垣島観測局見学

でかい!!!!!!!!

VERA石垣島観測局
正面を向いた姿は美ら研ならでは(かも)

VERA(VLBI Exploration of Radio Astrometry)は、宇宙の立体地図を作るプロジェクトです。水沢(岩手)、小笠原(東京)、入来(鹿児島)、石垣の4つの電波望遠鏡を組み合わせることで、直径2900kmの電波望遠鏡を仮想的に作っています。もっとデカかった。

石垣島天文台見学

次は望遠鏡ドームへ。

©Quro・芳文社/星咲高校地学部
むりかぶし望遠鏡

アニメで見た景色だ!!!!!!!!!!
ドーム内は結構狭いので、アニメのように撮るには超広角のカメラを使うか、複数枚を合成しないと難しそうですね。
惑星を見たり、スリットからプチ観望会をしたりしました。(あの手早いレーザーポインタ捌き、憧れます。)

土星

一眼でコリメート撮影した土星です。めちゃくちゃ綺麗でびっくりしました。

夕食など

一旦青少年の家へ戻り、夕食や入浴などをとって休憩。

再び天文台へ

私たち光学班は観測のため天文台に向かっているのですが……結構山道なので揺れますね。
観測室(普段の見学では立ち入り禁止)内は模様替えが行われており、アニメで仮眠室として描かれているところは望遠鏡の制御室になっています。またみらたちの活動する部屋の机などの配置も変更されています。(天気のモニターの台は同じ場所にあります。)
ちなみに仮眠室は別の場所にしっかりあり、テレビ、ベッド、ゲーミングチェアが備え付けられています。ビジネスホテルみたい。

観測開始!

天気も問題なく、ついに観測開始です!この日は開始も遅かったので、数領域を撮影、解析を行って終了ということになりました。

観測終了

観測は午前3時くらいに終了。4時半くらいまで画像の解析と2日目の勉強会の準備をしました。青少年の家には5時くらいに着いて寝ました。起きたら11時でした……

2日目

二度寝などをかましなんだかんだで多分正午くらいに起床。朝飯なのか昼飯なのかよくわからないご飯を食べ、勉強会に向かいます。

勉強会

美ら研2日目、勉強会からスタートです!恋アスと同じ部屋に集合します。
いきなりの遅寝遅起きに体がついていけず、結構眠かったです。ソーセージ……

©Quro・芳文社/星咲高校地学部
参加者がたくさん写った写真ばっかりなので、写真は割愛。

小惑星のあれこれを学びました。

その後、夕食、恋アスモノラル立体音響(矛盾)大布教会(withスマホ4台)、入浴などをして、天文台へ向かいます。

観測開始!

ついに最後の観測が始まりました!屋上で観望したり、写真を撮ったりして休憩しながら解析を進めていきます。コントラスト調整!画像拡大!高速連続表示!目が死。

Quro先生の木ノ幡みらさん、トークイベントのポストカード、花山先生(=石垣島天文台の職員、美ら研講師、作中の花島さん)の古在賞のメダル

サ イ ン 登 場(かわいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)古在先生(小惑星の研究もされてた大先生)のメダルも加えて祭壇が完成!二礼二拍手一礼!!!!!!!!!!!
サイン来たって連絡したら電波班が急遽もう1回見学に来ました(笑)

観測を進めながら、合間合間に星野写真も撮ったりしてました。

天の川と夏の大三角
Olympus E-P5 12mm (M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO) f/2.8 ISO2000
30s*48pic , MCプロソフトンA使用
Sequator, darktableで処理
アンドロメダ銀河
Olympus E-P5 300mm (SIGMA ZOOM-λⅡ 75-300mm) f/5.6 ISO5000 秒数枚数等不明
普通の三脚で撮ったら大失敗☆
恋アスでこんなアングルあった気がする 多分

月のない日の石垣島は最強です。肉眼でも余裕で天の川が見えます。視力が危うかったんですが、父親の近視鏡を借りてきたおかげでどうにかなりました。みんなは眼鏡を作ってから行こうね!

観測終了・発表準備

2日目と同じくらいの時間に観測は終了。この時点での結果は以下の通りでした。

  • 新天体候補…3天体

  • 追観測に成功した既知天体…2天体

ということで、成果報告の準備をしていきます。これまでの美ら研で作られたスライドを参考にしながらまとめていきました。

そんなこんなで時刻は朝5時。昼の成果発表に備えて宿舎に戻り寝ます。多分就寝したのは6時くらい?僕らが寝ようとしたら電波班が起きてきました(笑)

退館時の石垣島天文台(ブレてる)
おやすみなさい。

3日目

多分昼ごろ起床。食堂でお昼をいただくとともに、部屋の片付けと荷物の整理も行います。その後、発表会前の時間でスライドを詰めてました。

成果発表会

16時少し過ぎ。なんとかスライドを完成させ成果発表会に臨みます。電波班3グループの発表があった後、ついに私たち光学班の発表です。成果発表会の様子はこちら:

閉講式

発表会が終わり、閉講式が始まります。閉講式では参加者に未来博士号が授与されました。皆様の協力もあり、予定通りの18:00に終了、解散することができました。

記念写真?それなら……

事前に予約しておいたジャンボタクシー2台に希望者計15名を乗せ、きららジャンプの浜(去年特定済)に向かいます!(※この時間は夕食需要でタクシーが混雑するため、浜へ行く場合は必ず事前にタクシーを予約しましょう。また、参加者に場所を知る人がいなかった場合は事前に特定を済ませておきましょう。)

しばらくタクシーに揺られ、浜へ到着。日没が迫っているので、かなり急いで撮影しました。

せーのっ!(オタク4人)
右から2番目が私です。友人撮影

雲があり太陽に被ってしまったのが心残りですね。2024以降の参加者の皆さんもぜひ挑戦してみてください。

後泊〜帰宅

後泊

後泊は八重山荘へ(3日ぶり4度目)。数人同じ宿に泊まりましたが全員疲れ果てており、案外早く就寝。
朝早くに起きて観光する予定を立てるも見事に寝坊。チェックアウトに間に合わず女将さんに起こされてしまいました。本当に申し訳ないです。
ちなみに就寝中Jアラートが鳴ってたらしい。全く気付かず寝てました。怖い。光学班参加を検討してるみんな、後泊するときはミサイルが落ちてこないよう祈ってから寝ようね!

⛔️⚠️⛔️⚠️ここから先4巻1話(fuz表示41話)までのネタバレあり⛔️⚠️⛔️⚠️

西表島巡礼

首を寝違えたため泣く泣くスマホでの撮影に切り替え。
なんか原作では西表で船に乗ってマングローブ見たり牛車で由布島行ってたよな……という雑記憶を頼りに西表へ。
寝坊の末、高速船とマングローブ見学船を3分で乗り継ぐギャンブルに手を出す羽目になりました。

なんとなくサキシマスオウノキコースを選択。こういう旅は長いほうが良いですからね(適当)

西表のマングローブ林。マングローブというのはこの手の木の総称で西表にも何種類かあるらしい。
サキシマスオウノキ

サキシマスオウノキというのは上の画像の木で、根が板状になっているのが特徴です。

©Quro・芳文社

家帰ってから気づいたんですけどここも聖地だったんですね。サ(略)コースにしてよかった~~~

帰宅

Peachの遅い方の便で東京へ帰還。石垣島から離れていくときの感慨深さは忘れられません。(帰りの飛行機の中でポレポレをやろうとするも寝落ちし失敗) 

参加を検討している高校生の方へ

参加を考えてる高校生のみんな!
行こう!!!!!!!!!!!!!!!!
作文は400字!今からでも間に合います!受験は来年もできるけど美ら研はできない!青春は取り戻せない!さあ君も作文を書いて参加申し込みを送ろう!!!!!!!!

え、石垣島は流石に遠すぎる? それならこんなプログラムもありますよ(分野は違うかも):

おわりに

「高校生活で一番青春していた瞬間は何ですか?」と聞かれたら、私は迷わず「美ら研」と答えます。これまで私が参加してきた2回の美ら研の、その濃密な計6日間の思い出こそが、自分の青春のハイライトなのだと言っても過言ではありませんし、その思い出が受験の辛い期間を支えてくれました。

美ら研を開催してくださった皆さん、そして美ら研を私に教えてくれた恋する小惑星という作品、Quro先生、恋する小惑星製作委員会の皆さん、本当にありがとうございました!

謝辞

写真の掲載を許可していただいた、国立天文台水沢の廣田先生に感謝の意を表します。
また、本体験記の執筆にあたって東北大恋アス研のCaf2氏たけらぎ氏にご助言をいただきました。感謝申し上げます。
最後に、様々な記録と記憶をもってこの体験記の完成に多大な尽力をしていただいた美ら研参加者の皆様、ありがとうございました。

追記

peachはどんどん高くなるので採択されたら即予約しましょう。急げ!!!!!ß


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